広告費が「無駄」に感じる4つの理由
広告費が「無駄」に感じる理由としては、大きく以下の4つが挙げられます。
目的とKPIが曖昧なため成果を実感しにくい
広告の運用成果を計測する仕組みが整っていない
運用後に継続的な改善活動を続けていない
広告代理店へ運用を丸投げしてしまう
目的とKPIが曖昧なため成果を実感しにくい
広告運用では、具体的な目的やKPI(中間目標)を定めることが一般的です。以下のように数値を交え決めることで、「施策の方向性は正しいか?」「どの数値をどのくらい改善すればよいか?」などを適切に判断できます。
【目的やKPIの例】
会員登録者数を◯◯%増加させる
商品購入者数を□□%アップさせる
離脱率を◾️◾️%低下させる
新規顧客の中で〜〜%をリピーターへ引き上げる
商談につながる問い合わせの割合を先月より⚫︎⚫︎%引き上げる
顧客獲得単価を◇◇%低下させる
しかし、上記の設定が「コンバージョンを増やす」というように曖昧な場合、具体的な進捗度合いを実感しにくく、仮に成果が出ても広告費が無駄になっている感覚に陥るかもしれません。
また、広告費を無駄に感じてしまうと、運用の成果を評価する際に誤った判断を下す可能性もあります。例えば「認知度を広める目的」で運用する場合、本来は広告やSNSでのプロモーションなどを実施し、長期的な視点で徐々に知ってもらうことが一般的です。しかし「いつまでに・どのくらい認知度を高めるか?」という点まで落とし込んでいない場合、短期的な売上だけで認知度を評価してしまいます。そのため、結果的に「広告費に対し効果が出ていない」という感覚に陥るかもしれません。
広告の運用成果を計測する仕組みが整っていない
社内に広告の運用成果を計測する仕組みが整備されていない場合、担当者の経験や勘、直感に依存します。しかし、計測や評価を感覚で行うと「どの数値を・どのくらい改善できたのか?」という点を客観的に判断できません。客観的な視点で成果をチェックできなければ、「具体的にどのくらい広告費が無駄になったのか?」という点も正しく判断できません。
また、以下のように「次回に向けた改善の方向性」も設計できないため、最初に定めた目的の達成が難しくなります。
広告のクリック率が低いのでキャッチコピーを修正しよう
広告はクリックされるがLPの読了率が低いのでページの構成を修正しよう
出稿費用の割に検索数が少ないので別のキーワードで出稿しよう
仮に担当者の経験をもとに運用し成果が出ても、退職や異動などによって担当者が変わるかもしれません。そうした際に具体的なノウハウを引き継げないため、継続的に成果を残すことが難しくなります。
運用後に継続的な改善活動を続けていない
広告運用で成果を出すには、施策の分析・改善を繰り返して長期的に出稿し、少しずつ理想のゴールへ近づけることが大切です。そのため、社内で継続的な改善に向けた運用体制を整備しないと、ブラッシュアップの機会が減少し長期的な成果を出しにくくなります。成果を残せない状況が続くと、最終的に「広告費が無駄になった」と感じるかもしれません。
広告代理店へ運用を丸投げしてしまう
代理店に運用を丸投げすることも避けてください。確かに代理店は広告運用のプロであるため、ベースの部分は任せても問題ありません。とはいえ、必要に応じて以下のように、自社から積極的に代理店へ協力する姿勢も必要です。
商品の魅力が伝わる画像素材や動画資料を提供する
競合との差別化になり得る情報を代理店へ提供する
定期ミーティングの場で自社の要望を都度共有する
上記のような協力がなければ、「自社の魅力が伝わらない画像素材を使われてしまう」「LPで差別化ポイントがうまく表現されていない」などが発生して成果を出せず、結果的に広告費が無駄になったと感じるかもしれません。
代理店がスムーズに運用できるよう、上記のように自社からも素材提供や情報共有などで積極的に協力してください。
広告費を無駄にせず「未来への投資」に変えるための思考のポイント
せっかく投下した広告費を無駄にせず長期的な成果へつなげるには、以下のポイントを踏まえて思考することが大切です。
「短期的な成果」より「長期的な価値」で判断する
数値を分析し「なぜこの成果になったか?」を洗い出す
「広告単体」ではなく「顧客体験全体」で最適化する

「短期的な成果」より「長期的な価値」で判断する
広告運用の成果を正しく判断するには、短期的な途中経過ではなく「長期的にどのような価値をもたらしてくれるか?」という点のチェックが大切です。例えば、追加投資を行った結果「直近ではコンバージョンが増えずCPA(顧客獲得単価)が膨らんだ」とします。確かに短期的な成果につながっていないため、一見すると広告費が無駄になったと感じるかもしれません。
しかし、広告を見た顧客が自社を認知し将来的に新規購入したのであれば、追加投資分は決して無駄になっていません。また、この新規購入者がリピーターとなり永続的に自社へ売上をもたらしてくれるようになれば、企業にとって大きなプラスです。
このように、投下した広告費の価値を正しく判断するには、長期的に自社へもたらすであろう利益(LTV)を踏まえることが大切です。
数値を分析し「なぜこの成果になったか?」を洗い出す
広告運用の成果をチェックするには、以下のような各種指標の分析が必要です。
CVR(コンバージョン率)
CTR(クリック率)
CPA(顧客獲得単価)
ROAS(広告費に対する売上の割合)
こうした数値を分析するにあたって、確かに「今回の施策は理想通りだった」「思うような成果は出なかった」という点を把握することも必要です。
しかし、単純に施策の良し悪しを判断するだけで満足してはいけません。数値をもとに「なぜこの数値になったのか?」「何が不足していたのか?」などを分析し、改善策の設計につなげることが大切です。仮に今回の数値が芳しくなくても、次回に向けた仮説を設計しておけば、結果をもとに改善し次は理想通りの成果を出せる可能性が高まります。
「広告単体」ではなく「顧客体験全体」で最適化する
自社の目的を達成するにあたって、確かに広告運用は有効な施策です。顧客のニーズにマッチするタイミングで広告を配信できれば、効率的に認知度を高めたり信頼関係を構築できたりします。
しかし当然ですが、マーケティング活動で実施する施策は、広告運用だけではありません。以下のように状況に合わせて幅広い施策を実行し、顧客へアプローチすることが一般的です。
新規顧客へステップメールを配信して情報を提供し、リピーターへ引き上げる
顧客の悩みをダイレクトに解消できるLPを制作して、そのままコンバージョンへつなげる
SNSで積極的にフォロワーと交流し信頼関係を構築する
公式LINEで初回限定クーポンを配信し、来店のきっかけを作る
そのため「広告運用施策のみ」に注力しすぎると、顧客へアプローチするチャンスが限られてしまい思うような成果を出せず、結果的に広告費が無駄になったと感じるかもしれません。
一方で複数のマーケティング施策と絡めることで、顧客の「認知・比較検討・購入」という一連の流れを適切にフォローし、長期的に成果を出すことが期待できます。
このように広告運用を「顧客体験の一部」と捉えて、成果が出ない場合は別施策の側面からもチェックし改善することが大切です。
広告費を無駄にしない運用設計の4ステップ
広告費を無駄にしないためには、以下4ステップを踏まえ運用方法を設計してください。
Step1:目的とKPIを再定義する
Step2:正確に計測できる環境を整える
Step3:ターゲティングと媒体配分を再設計する
Step4:PDCAを“人”ではなく“仕組み”で回す
Step1:目的とKPIを再定義する
まずは広告運用における目的およびKPIの定義を見直してください。先ほども解説したように、以下のように数値で設定することで、目標までの進捗度合いを把握し次回までの改善策を設計しやすくなります。
【目的やKPIの例】
会員登録者数を◯◯%増加させる
商品購入者数を□□%アップさせる
離脱率を◾️◾️%低下させる
新規顧客の中で〜〜%をリピーターへ引き上げる
商談につながる問い合わせの割合を先月より⚫︎⚫︎%引き上げる
顧客獲得単価を◇◇%低下させる
また、「自社ブランドへの好感度」「市場におけるサービスの認知度」といった定性目標も設定することがおすすめです。
Step2:正確に計測できる環境を整える
上記の目的やKPIの達成に向けて、定期的に数値を計測できる環境を整備してください。経験や勘ではなく数値で成果を可視化することで、より客観的な視点で施策を改善できます。
具体的には、Google Analytics 4(GA4)をはじめとした分析ツールの導入がおすすめです。分析ツールを活用すれば、セッション数やサイトへの流入元、コンバージョンなどを把握して客観的な視点で成果を計測し、次回に向けた改善策を設計する際に役立てられます。
Google Analytics 4を活用する場合は、主に以下のような点でミスが起きないよう注意してください。
プロパティ(データを収集・分析する対象を定める単位)を適切に設定できていない
Googleタグ(各種指標の計測に必要なコード)が正しく設置されていない
閲覧・編集権限が正しく設定されていない
上記のミスへの対処法を含め、Google Analytics 4の詳細な機能や導入手順などは、「Google Analytics 4とは?初心者向け使い方・導入手順完全ガイド」で解説しています。
Step3:ターゲティングと媒体配分を再設計する
ターゲティングおよび各媒体への予算比率も調整してください。
ターゲティングについては、現状をさらに深掘りすることが大切です。ターゲット像を詳細に決めておくことで、広告出稿時に配信項目を設定する際、より自社がアプローチしたい顧客に近しい条件で絞り込めます。例えば年齢や居住地などの基本属性に加え、以下のような項目を深掘りすることがおすすめです。
性格(価値観・人生観)
趣味
余暇の過ごし方
人間関係(友人の数など)
利用しているSNS
情報源の種類(WEB、新聞、雑誌、TV)
仕事上の目標、課題、挑戦したいこと
上記のレベルまで顧客イメージを落とし込み訴求内容を最適化できれば、配信対象者から反応が返ってくる可能性が高まります。より詳しいターゲットの設定方法については、「ペルソナの作り方は?マーケティング業務で活用するポイントも解説」をご覧ください。
また、過去データや媒体特性をもとに、以下のようなイメージで各媒体の投資比率も調整してください。
直近でコンバージョン率が高い媒体の予算を増やす
購買意欲が高いユーザーへアピールしたいのでリスティング広告の予算比率を増やす
ビジュアルメインで訴求したいためInstagram広告への予算比率を増やす
Step4:PDCAを“人”ではなく“仕組み”で回す
最後に、PDCAサイクルを回す仕組みを整備してください。担当者個人の力量に依存せず仕組みで改善できるようになれば、社内の誰が運用しても効率的にブラッシュアップ可能です。具体的には、以下のようなイメージで体制を整備してください。
週次ミーティングを実施する
定期的に代理店とミーティングの機会を設けて、目的や施策への要望などを細やかに共有しておく
広告運用の専任担当者を指名する
代理店から定期的に勉強会を開催してもらう
毎月報告する項目や指標をテンプレート化しておく
運用の成果はもちろん、出稿目的や要望などを定期的に共有する場を作っておくことで、広告運用の方向性を適宜修正しながら、ゴールに向かって適切に運用できます。
自社ですべての負担を抱え込まないことが大切
上記で解説したように、広告費が無駄になっている現状を解消し自社の目的を達成するには、以下のように数多くのアクションが必要です。
広告運用の目的を見直す
各媒体への予算比率を調整する
CVRやCPAなどの各種指標を分析して改善策を設計する
定例ミーティングの場を設けて継続的にPDCAサイクルを回す体制を整備する
上記のようなアクションを実施するには、マーケティングの専門的な知識が必要です。しかし、広告運用の知見がなければ「目的から逆算するとどの指標をチェックすべきか?」「改善施策はどのように設計すべきか?」などを適切に判断できないかもしれません。
また、自社のリソースに余裕がない中で片手間で運用を進めると、どうしても分析やクリエイティブ制作などの優先度が下がり、成果が出るまでさらに時間がかかるケースもあります。
上記の事態を回避し広告費の無駄を削減するには、「外部の広告代理店の力を借りる」という選択肢の検討も大切です。代理店であれば広告運用に関する専門的な知見をもとに特化した業務を行ってくれるため、自社の負担を軽減しつつ効果的に成果を出せます。
具体的な広告代理店の選び方については、次の章で解説します。
成功する広告運用の代理店を選ぶ3つの視点
広告運用の代理店選びを成功させるには、以下3つの視点を持つことが大切です。
ワンストップで自社の施策を支援してくれるか?
改善の根拠を説明できるか?
社内の課題や事情を理解して提案できるか?
ワンストップで自社の施策を支援してくれるか?
広告代理店の中には、「施策を実行するのみ」「戦略を提言するのみ」というように、依頼できる領域が限られるケースがあります。もちろん、ある程度自社で広告運用を内製化できている場合は、「特定領域のみを依頼して残りは社内で実行する」という進め方も有効です。
しかし、一度「広告費が無駄になった」という経験を持っているのであれば、まずはワンストップでサポートしてもらうことを検討してください。特定の領域だけでなく、以下のようなアクションをワンストップで任せられる代理店であれば、適切に施策を改善し成果が出るまで手厚くサポートしてくれることが期待できます。
施策を運用する理由の策定
データの分析
具体的な戦略の設計
施策の実行
次回に向けた改善
改善の根拠を説明できるか?
広告費を無駄にしないためには、運用の成果を分析し正しく改善の方向性を洗い出すことが欠かせません。この改善の方向性について、「なぜこのようにブラッシュアップしたのか?」という根拠を論理的に説明できる広告代理店であれば信頼できます。例えば「指標の数値をもとに客観的に判断している」「実際の顧客の声を反映させて判断している」といったイメージです。
根拠が薄く経験や勘に頼るような説明が多い場合は、成果を分析するスキルがなかったり分析に注力していなかったりする可能性が高いため、注意してください。
社内の課題や事情を理解して提案できるか?
広告運用では、潤沢な予算を確保したり高品質なクリエイティブを制作したりできれば、成果を出しやすくなります。とはいえ企業によっては、以下のような課題や独自の事情を抱えているケースもゼロではありません。
以前に広告運用で成果を残せなかったため、予算を確保しにくい
複数媒体を運用する余力がある担当者がいない
クリエイティブ制作に投下するリソースを確保できない
上記のような社内の事情を考慮せず、一般的な施策しか提案できない代理店では「予算を削るので効果が薄れる」「そもそも取り組める施策の幅が狭い」などが起きてしまい、思うように成果を出せません。
こうした事態を防ぐには、社内の予算やリソース、自社の方針などを踏まえ、各社にマッチした提案を設計できる代理店を選ぶことが重要です。初回相談の際にある程度自社の事情を洗い出しておき、試しにどのような提案を作れそうかヒアリングしてみることもおすすめです。