「CVR(コンバージョンレート)」は、ウェブサイトを訪れたユーザーのうち、そのウェブサイトのCV(コンバージョン)を達成したユーザーの割合のことです。コンバージョン率とも呼ばれます。
CVRは、デジタルマーケティングを行う上で、重要な指標です。とはいえ、ウェブマーケティング初心者の方の場合、「そもそも意味がわからない」「どの程度重要なのか、どのように測定すればわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、CVRの基本的な知識から測定方法、改善施策まで詳しく解説します。
「CVR(コンバージョンレート)」は、ウェブサイトを訪れたユーザーのうち、そのウェブサイトのCV(コンバージョン)を達成したユーザーの割合のことです。コンバージョン率とも呼ばれます。
CVRは、デジタルマーケティングを行う上で、重要な指標です。とはいえ、ウェブマーケティング初心者の方の場合、「そもそも意味がわからない」「どの程度重要なのか、どのように測定すればわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、CVRの基本的な知識から測定方法、改善施策まで詳しく解説します。
目次
「CVR(コンバージョンレート)」は、ウェブサイトを訪れたユーザーの中で、CV(コンバージョン)に至ったユーザーの割合のことです。コンバージョン率とも呼ばれます。
コンバージョンとは、購入や問い合わせなどの、ウェブサイトにおける最終成果のことを指します。最終結果のCVは、ウェブサイトの目的によって異なります。
▼CV(コンバージョン)の例
商品の購入(ファッションブランドのECサイト)
資料請求・問い合わせ(BtoBマーケティング会社のウェブサイト)
会員登録(サブスクリプションのウェブサイト)
CVRは、CV(コンバージョン)数とウェブサイト訪問数で求めることができます。
CVR(コンバージョンレート) = CV ÷ ウェブサイト訪問数 × 100
例えばファッションブランドのECサイトにおいて、訪問数が1000、CVが100だったとします。
上記の式に当てはめると、
CVR = 100 ÷ 1,000 × 100 = 10%
となり、CVR=10%とわかります。
この割合が高いときはユーザーが目標の行動を取った割合が高いことを示します。ユーザーの関心に対して、良い訴求ができていることがわかるのです。
逆に、低いときはユーザーが目的の行動を起こす前にページを離脱してしまうことを示します。訴求方法に改善の余地があると言えるでしょう。
つまり、CVRの数値が高いほど、効率よく成果を上げることに成功していることになります。
なお、Google広告等、広告のコンバージョン率を求める際は計算方法が異なるので注意してください。
CVR(コンバージョンレート) = CV ÷ インタラクション数 × 100
CVRと似た言葉に「CTR」があります。
CTRとは、「Click Through Rate」の略称で、広告などのコンテンツのクリック数を表示回数で割った値です。クリック率とも呼ばれ、ユーザーにコンテンツが表示された回数に対してどれくらいクリックがあったかを知ることができる指標です。
CTRが高いほど、ユーザーの興味・関心を引き、クリックしてもらえていることになります。低いときはユーザーの興味・関心を引けていない、クリックまで誘導できていないことになります。
そのため、コンテンツのCTRを比較することで、どのコンテンツがターゲットユーザーの興味・関心に訴求できているのかを知ることができます。
CTR(クリック率)=クリック数 ÷ 表示回数
CVRとCTRは、それぞれ異なる面を測定します。CTRはコンテンツの魅力度や関心度を、CVRはコンテンツの成果や効果を示します。それぞれの指標を適切に理解し、活用することで、より効果的なマーケティング戦略を展開できます。
CVRは、ウェブサイトやページの課題・対策の把握に重要な役割を担う数値です。
上記の表を用いながら、具体的に解説します。
ページAとページBは、どちらもセッション数は10,000と同じです。しかし、ページAのほうがページBよりもCVRが高いです。つまり、流入したユーザーに対して効果的に訴求できていることがわかります。
すでにCVRの高いページAは、今以上に流入するユーザー数が増えれば、効率的にコンバージョンを増えると考えられます。そのため、SEO順位改善や流入経路拡大など流入するユーザーを増やし、セッション数を増やすことが効果的です。
一方、ページBでは、CVRが低い点が課題です。そのため、セッション数を増やすよりも先に、CVRを向上するための施策を行うべきであるとわかります。
ここまでCVRについて、概要と重要な理由をご紹介してきました。CVRについてわかってはきたものの、肝心の計測の仕方がわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方向けに、本章ではCVRの計測方法についてご紹介します。
CVRはGoogle アナリティクス 4(GA4)を活用して計測できます。GA4とは、Googleが提供するアクセス分析ツール「Google アナリティクス」の最新版である「Google Analytics 4」の略称です。ウェブサイトからアプリまで、複数の端末を使うユーザーの行動データも分析できます。
なお、GA4については「GA4(Google Analytics 4)とは?|設定から実践までわかりやすく解説」でも解説しています。
「これまでGA4を使ったことがなく、新しくアクセス解析を始めたい」という方は、GA4のアカウントを新規作成し、各種設定を行います。
Googleアカウントが無い場合はGoogleアカウントのログインページより、新規作成します。なお、新規作成の際「個人用」「仕事/ビジネス用」のどちらを選んでもGoogleアナリティクスの機能は変わりません。
すでにGoogleアカウントがある場合は、Googleアナリティクスの公式サイトへアクセスし「測定を開始」ボタンをクリックします。
最初に、アカウント名を記入し、アカウントのデータ共有設定を確認します。
次に、データを収集・分析する対象を定める単位である「プロパティ」を作成します。作成することでどのようなユーザーがどんなアクションを起こしたのかを確認できるようになります。
プロパティの命名には一定のルールを設けておくと、業務の引継ぎやチームでの対応が円滑になります。導入と合わせてルールを整備しておくと良いでしょう。
次に、「ビジネスの詳細」の選択を行います。該当する業種、規模を選択して「次へ」をクリックします。
ビジネス目標の選択に移ります。該当するビジネス目標の選択をクリックして「作成」をクリックします。
このとき、ビジネス目標の違いによって今後のレポート画面が異なるため、ビジネス目標を明確にしてから選択するとよいでしょう。ちなみに、ビジネス目標は後から変更可能なので、まだ決まっていないという場合は一度仮で選択し、次に進んでも構いません。
ここまで終了すると、Googleアナリティクス利用規約とデータ処理規約への同意画面が表示されるので、問題がなければチェックと「同意する」をクリックします。
次に、データを収集したいウェブサイトやアプリを登録します。
この時点で収集対象となる具体的なウェブサイトやアプリが用意できていない場合は、「今回はスキップ」をクリックし、「データ収集を設定」をクリックします。
これでGA4の新規導入は完了です。ホーム画面にアクセスするとチュートリアル画面が表示されており、基本的な機能の設定を学べます。
GA4の導入が完了し、いざ使い始める前に、より正確で効率的なデータ測定のためにやっておきたい設定が2つあります。どちらも基礎的な設定のため、どのようなウェブサイト、業種であってもぜひ完了しておきましょう。
GA4における導入後の便利な設定については、「GA4(Google Analytics 4)とは?|設定から実践までわかりやすく解説」でも解説しています。ぜひご覧ください。
GA4ではコンバージョンを設定しないと、コンバージョンのデータが計測されないため注意が必要です。設定以前のコンバージョンの計測はされないため、GA4の導入後にすみやかに設定しておくべきです。
コンバージョン設定をするためにはイベントを作成する必要があります。イベント作成の方法としては2つあり、GA4から直接イベントを設定する方法とGTMを利用してイベントを設定する方法があります。ここでは、GA4から設定する方法を解説します。
初めに、コンバージョンとして測定したいユーザー行動を、「イベント」として作成します。まず、左下の歯車マーク「管理」を選択し、「イベント」をクリックします。
次に、「イベントを作成」をクリックします。
「カスタムイベント」という画面が出てくるので、「作成」をクリックします。
設定画面で、カスタムイベント名とコンバージョンにしたいイベントを入力し、「作成」をクリックします。
コンバージョン率は、コンバージョン数から自分自身で計算することもできますが、GA4で確認する方法もあります。ここでは、確認するために必要な設定を解説します。
初めに、左側メニューの「レポート」から「集客」項目の「トラフィック獲得」を選択します。
右側にある鉛筆マークの「レポートのカスタマイズ」を選択します。「指標」をクリックした後、「指標を追加」から「セッションのコンバージョン率」を追加し、適用をクリックすれば完了です。
CV数のチェックは、以下の手順で行えます。
まずは、Google アナリティクス 4の画面左にある「レポート」をクリックしてください。
続いて、「ライフサイクル」>「エンゲージメント」>「イベント」の順に、クリックします。表示されたページで「イベント数」と書いてある箇所が、CV数になります。
一概に、CVRには目安や目標となる数値は存在しません。CVRは、活動する市場、ユーザーのニーズ、提供する商品・サービス、値段、CVによって大きく左右されるためです。
「じゃあCVRの目標はどう決めたらいいの?」と疑問に思う方に向けて、本章ではCVR目標の決め方について解説します。
自社の目標値から逆算して考えることも一手です。
最終的な売上目標=セッション数×CVR×購入単価
例えば、月間目標が100万で、1回の購入金額が5万円の場合には、目標達成のために20回のCVが必要になります。1ヶ月の流入数が1,000セッションとすると、20回のCV獲得に必要なCVRは2%です。
類似の業界・サービスのCVRを参考に、自社のCVRの目標をたてるという方法もあります。
とはいえ、類似の業界・サービスの場合でも、CVやウェブサイトの構造が違う場合があります。特にCVは、購入よりも問い合わせに設定した方が達成しやすいというように、CVによって達成の難易度が異なります。これらに留意してCVRの目標をたてることをおすすめします。
CVRが低い場合、いくつかの要因が考えられます。その要因を特定して適切な改善案を選択し、CVRを向上させましょう。
ウェブサイトの構造に問題があるとユーザーは操作が面倒になり離脱してしまいます。具体的な問題は、アプリやデザインが使いにくい、ロードが長い、動線が複雑、入力フォームの項目が多すぎるなどです。
改善例の1つは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させることです。
優れたUXは、ユーザーにストレスなくサイトを利用できるようにさせ、CVRの向上に繋がります。直感的で使いやすいインターフェースが良いでしょう。
具体的な改善方法をいくつか紹介します。
ウェブサイトに訪れるユーザーの大半は、モバイルデバイスを利用している可能性が高いです。
ウェブサイトがモバイルデバイスに対応していないと、ユーザーにストレスを与える可能性があります。なぜなら、小さい文字をよむための画面の拡大や移動によってバナーボタンやリンクの押し間違いといった事態が起こり、ユーザーにストレスを与えるからです。
そのため、モバイルデバイスに対応すれば、より多くのユーザーにストレスなくサイトを利用してもらえます。この観点から、ウェブサイトをモバイルデバイスに対応させるのは、UX向上のために重要といえます。
モバイルデバイスに対応しているかは、モバイルフレンドリーテストを行うことで確認できます。
ランディングページとは、ユーザーが初めて接触するページのことです。
ランディングページの改善には、「ABテスト」を実施することも1つの手です。ABテストとは、異なるバージョンのページを比較し、どちらが高いCVRを達成するか検証する方法のことです。ヘッドライン、CTA、画像、フォームの色や配置、テキスト、入力事項(フォーム)を変更して反応を確認し、それを元に改善を繰り返すことで、よりUXを向上できます。
ウェブサイトの読込時間の改善も、ユーザーの離脱防止に重要です。Googleは、読込時間が3秒を超えるとユーザーの53%が離脱すると述べているので、気になる場合は読み込み時間テストページで確認してみましょう。
時間の改善という点では、サイト内の移動を直感的かつ簡単にするための案内表示のシンプル化や、申し込みフォームの質問内容や回答方法の簡素化によってもユーザーの離脱を防ぐことができます。
クリック率を上げるために、誇張した広告を出したくなることもあるかもしれません。ただ、広告を見て興味を持った人がサイトを訪れても、思っていたのと違うと感じるとCVRは低下しやすいです。訪問した後、すぐにウェブサイトを離脱している場合には、広告を誇張している可能性が高いと考えることもできます。広告全体での印象だけではなく、訴求内容や細かな文言でも影響してくるので注意が必要です。
例えばコンテンツの見出しに「最高水準のセキュリティ」と書いてるのに、いざクリックしてみると「提供されるのは標準的なセキュリティ機能」など全然見出しと違うことがあると、ユーザーは自身の課題感が解決されないと感じ、すぐ離脱してしまいます。
訴求内容やコンテンツ内容を見直し、誇張しすぎていないか、改めて確認が必要です。
ターゲット設定が甘いと、商品やサービスに関心の低い層にもコンテンツが配信されます。関心の低い層がウェブサイトを訪れても、興味・購買意欲が薄いため、すぐに離脱し、CVR低下につながってしまいます。
この場合には、既存顧客傾向分析や市場分析などを踏まえたうえで、ペルソナを改めて定義し、より細かいターゲット設定をします。
また、上記以外にも自社の商品やサービスを取り巻く環境の変化もミスマッチとして考えられます。
例えば、季節や流行によって変化し、以前人気が高かったサービス・商品が売れなくなってしまうこともあります。また、競合他社が大きなキャンペーンを実施しているなど、大きく訴求を変更した場合にその影響を受けることもあります。
CVRは、購入や問い合わせなどそのウェブサイトの最終成果(CV)に至った件数の割合のことで、デジタルマーケティングにおいて重要な指標です。
CVRを改善することで、売上の向上を見込める可能性があります。そのため、CVRが低い場合には、要因の分析・改良を行うことで、CVR向上を目指すことをおすすめします。
また、売上向上のためにデジタルマーケティングを行う際は、CVRの目標を立てたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。業界やCVによって数値は異なるため、一概に目安となる数値はありません。しかし、目標からの逆算や近い業界・サービスを参考から目標を決めることができます。
ウェブサイトを訪れたユーザーの中で、CV(コンバージョン)に至ったユーザーの割合のことです。コンバージョンとは、購入や問い合わせなどの、ウェブサイトにおける最終成果のことを指します。
詳しくは「CVR(コンバージョンレート)とは」の章をご覧ください。
一概に、CVRには目安や目標となる数値は存在しません。CVRは、活動する市場、ユーザーのニーズ、提供する商品・サービス、値段、CVによって大きく左右されるためです。
しかし、自社の目標値から必要なCVRを算出したり、近い業界・サービスのCVRを参考にしたりして目標を定めることができます。
詳しくは「【初心者向け】CVR目標の決め方」の章をご覧ください。