リスティング広告とは「検索連動型広告」のこと
リスティング広告とは「検索連動型広告」のことです。GoogleやYahoo!などでユーザーが検索したキーワードをもとに、検索結果画面にテキストで掲載される広告で、主に「記事のURL・タイトル・説明文」が表示されます。
リスティング広告の表示箇所は、以下のGoogleとYahoo!の検索画面からもわかるように、基本的には検索結果画面の上部です。一般的な検索結果画面の10記事より上に表示されるため、出稿するキーワードを適切に設定できれば、より多くのサイト流入が期待できます。
なお、本記事では「Googleのリスティング広告」を中心に解説していきます。
リスティング広告の5つの特徴
リスティング広告の特徴には、以下5つの特徴があります。
低額から始めることができる
購買意欲の高いユーザーにアプローチできる
キーワードや配信曜日・時間帯は自身で都度調整できる
より多くのユーザーの目に留まりやすい
配信開始後からすぐ効果測定できる
1.低額から始めることができる
Googleのリスティング広告は、最低出稿金額が「1,000円〜」と設定されています。テレビCMや雑誌広告など他の広告媒体と比べると比較的低額から始めることができるので「リスティング広告を使ったことがなく、本当に効果が出るか不安」といった企業でも、始めやすい点が特徴です。
なお、仕組みの詳細については後述しますが、リスティング広告の費用発生はクリック課金制(ユーザーがクリックすると料金が発生)のため、競合の多さやクリックするユーザー数、業種などによって単価が変わります。
2.購買意欲の高いユーザーにアプローチできる
リスティング広告は特定の検索キーワードに対して表示されるため、自社商品やサービスのニーズにマッチするユーザーへピンポイントにアプローチできます。
例えば「マンション販売企業がリスティング広告を出稿する」と考えましょう。
「マンション」単体では、売却や賃貸など、購入以外の別のニーズを持ったユーザーにも表示されてしまいます。しかし、「マンション 購入」でリスティング広告を出稿すれば、異なるターゲットを避けつつ、購入を考えている人に絞ってアプローチすることができます。
このように、自社商品やサービスへの購買意欲が高いユーザーの検索キーワードに絞って出稿できる点が、リスティング広告の魅力です。
3.キーワードや配信曜日・時間帯は自身で都度調整できる
リスティング広告は、専用の管理画面に従ってキーワードや広告文などの必要情報を入力するだけで、広告配信を開始できます。広告審査はシステムが自動で処理しているため、時間や曜日の制約もありません。早ければ数分で審査が完了するため、即日の広告配信も叶います。
さらにリスティング広告は、特定の曜日や時間帯を指定した配信も可能です。上述の即日配信に加えて、「自社の営業時間外には配信しない」「閲覧数が伸びるであろう時間帯に配信する」などの調整も柔軟にできるため、効果を見て出稿量や内容を調整するといったタイムリーな施策も行えます。
4.より多くのユーザーの目に留まりやすい
前述の通り、リスティング広告は最短即日で検索結果画面に掲載することができます。検索結果画面でSEO対策された上位記事や自然検索より上に表示されれば、より多くのユーザーの目に留まり、流入の増加を期待できるでしょう。
狙うキーワードや業種・業態によってクリック率は異なりますが、短期的に多くのアクセスを集めて自社の集客につなげられる点が、リスティング広告の魅力です。
なお、SEOについての詳細は「SEOとは?今日からできる対策と基本となる考え方」の記事をご覧ください。
5.配信開始後からすぐ効果測定できる
リスティング広告は、Google アナリティクス 4などの効果測定ツールを活用するとリアルタイムで成果を確認できます。
万が一、広告掲載の商品やサービスが急遽変更した場合も対応できますし、結果をもとに広告文や設定キーワードの変更や、配信停止を行なうことも可能です。複数の広告文の効果を試したい(ABテスト)場合も、手軽に実施できます。
リスティング広告が向いているケース・向いていないケース
リスティング広告には、向いているケース・向いていないケースがあります。自社がどちらに当てはまるのかを把握し、リスティング広告を出稿するか決める際の参考にしてください。
▼向いているケース
すでに認知が広まっている商品
サービス客単価や粗利が高い商品
サービスリピート率が高い商品・サービス
▼向いていないケース
ビジュアル面での訴求が有効な商品
サービス認知を拡大したいフェーズ
広告を避けるユーザーへの訴求
向いているケース
【すでに認知が広まっている商品・サービス】
世間的に認知が広まっている商品やサービスであれば、リスティング広告は高い効果を発揮します。
▼認知されている商品やサービスの例
例えば、病院の存在は世間に広く認知されているため、「親知らず 抜く」などのキーワードで検索したユーザーに病院の広告を出稿することで集客が見込めます。
スマホも同様に世間での認知度が高いため、「スマホ オススメ」「スマホ 修理」「スマホ 安い」など、さまざまなキーワードでの検索が見込まれるでしょう。
商品によっては、スマホなら「iPhone」、車なら「ベンツ」というように、指名検索されることもあります。もし自社商品やサービスが指名検索されるほどの認知度を誇っていれば、リスティング広告の出稿によってさらなる顧客獲得につなげられるでしょう。
【客単価や粗利が高い商品・サービス】
粗利とは、売上高から売上原価を差し引いた金額のことです。売上総利益と呼ぶこともあります。
▼客単価や粗利が高い商品・サービスの例
不動産(マンションや戸建てなど)
整形
歯列矯正
車
高級腕時計
研修などのコンサルティングサービス etc
上記のような商品やサービスは、顧客も十分に検討したうえで検索することが多いため、最初から商品へ関心があり購買意欲も高いと考えられます。広告出稿の競争率が高く広告費用もかかりますが、もし実際の購買につながれば得られる利益が圧倒的に大きいため、広告費を回収しやすいのです。
【リピート率が高い商品・サービス】
客単価や粗利が低かったとしても、リピート率が高い商品やサービスであればリスティング広告との相性は抜群です。
▼リピート率が高い商品・サービス
ウォーターサーバー
育毛剤
シャンプー
サプリメントなどの健康食品
化粧品などの日用品
雑誌
動画サイトなどのサブスクサービス etc
上記のような商品やサービスは、1回の客単価は低い傾向にあります。しかし定期購入につながれば、2回目以降の購入をサイト内のマイページや購入履歴メールなどから促せるため、広告費を削減し結果的に高い費用対効果が期待できます。
向かないケース
【ビジュアル面での訴求が有効な商品・サービス】
リスティング広告は基本的にテキストで構成されるため、ビジュアルでの訴求が必要な商品やサービスには不向きです。
▼ビジュアル面での訴求が有効な商品・サービス
ファッションブランド
ジュエリー
調理器具などの料理関連 etc
ファッションやジュエリーなどは、テキストだけでなく商品写真を用いて視覚的にアプローチしたほうが、商品の魅力を伝えられます。
視覚的に魅力を伝える場合は、別の手法を用いることがおすすめです。例えばGoogle広告の一つである「ショッピング広告」は、以下のように商品スペックと画像を一緒に掲載できます。
【認知を拡大したいフェーズ】
リスティング広告は、自社が設定したキーワードをユーザーが検索した際に表示されます。「キーワードで検索している」ということは、ユーザーのニーズが明確になっており、商品やサービスを認知している可能性が高いことも表しています。
そのため、そもそもの認知が低い状態では検索行動に結びつきにくく、広告を出稿してもアプローチしにくいでしょう。
認知拡大や潜在層へのアプローチを考えている場合は、ディスプレイ広告やSNS広告、マス広告など別の手法を検討することがオススメです。ディスプレイ広告やSNS広告なら、検索行動の有無に関わらず、自社サービスと親和性が高いターゲットに絞って広告を配信できます。また、テレビCMや新聞広告などのマス広告であれば、幅広いターゲット層にアプローチが可能です。
【広告を避けるユーザーへの訴求】
リスティング広告は、表示エリアが検索結果の上部と下部に固定されています。
広告慣れしているユーザーはリスティング広告に視線を送ること自体を無意識に避ける傾向がある、という調査結果もあります。もし自社サービスのターゲットが、インターネットリテラシーが高くウェブ広告全般を避けると予想されるのであれば、リスティング広告の利用は避けるべきでしょう。
また、例えば自社サービスが地域密着型の整骨院で、ターゲットが高齢者など「そもそも検索エンジンを利用しない」という場合も、リスティング広告は不向きです。
リスティング広告を始める際に知っておきたい3つの基本
実際にリスティング広告をはじめる前に、以下3つの基本を押さえておきましょう。
説明する中で専門用語が出てくる場面もありますが、都度解説を挟んでいますので、これから広告運用を始めたい方も安心して読み進めてください。
リスティング広告の仕組み
リスティング広告の基本的な仕組みは以下の通りです。
まずは広告を配信するキーワードを決めます。キーワードを選ぶ際は、検索ボリュームや自社商品との相性のよさ、購買意欲の高さ、出稿の競争率など、幅広い角度から検討することが大切です。キーワードを決定したら広告を配信します。
ユーザーがキーワードを検索すると、オークションが行われます。オークションの結果によって、媒体における広告の掲載順位が決まるのです。具体的な広告の掲載順位の決まり方は後述します。
オークションで順位が決定すると、上位のものから順に広告が表示されます。ユーザーが広告をクリックし、広告主が設定したサイトへ遷移すると、費用が発生します。
掲載順位の決まり方
リスティング広告の基本的な掲載箇所は、検索画面の上部(あるいは下部)です。より具体的な掲載順位は、オークションによって決まります。
▼オークション
ユーザーがGoogle上で検索したりパートナーサイトを閲覧したりするたびに行われるものです。検索や閲覧が発生するたび、設定された基準をもとに広告の掲載順位が決定されます。
オークションの際に考慮される要素は以下の5つです。
入札単価
広告の品質
アセットとその他の広告フォーマットの効果
広告ランク
広告のコンテキスト
参照:Google広告ヘルプ
掲載順位はいくつもの要素が絡み合って決定されるため、「たくさん費用を投下すれば、必ず上位表示できる」というものではありません。
以下、各要素の詳細について解説します。
1.入札単価
入札単価とは、広告主が指定した「広告クリック1回につき支払える上限金額」のことです。この入札単価を超える金額が請求されることはありません。
リスティング広告の掲載順位は複数の要素で決定されるため、必ずしも「入札単価が高いから広告も上位表示されやすい」とは言い切れません。入札単価が高くても、広告の品質が低ければ掲載順位が下がることもあります。
2.広告の品質
広告の品質とは、実際に表示された広告およびリンク先の情報が、ユーザーにとってどの程度有益であるかを表す指標のことです。1〜10の10段階で評価されるもので、具体的な品質評価については、Google広告管理画面の「品質スコア」で確認することができます。
品質スコアは以下の3つの要素を総合的に考慮して決定されます。
▼推定クリック率
実際に広告が表示された際に予測されるクリック率のことです。実際のクリック率とは異なります。
▼広告の関連性
自社広告がユーザーの検索意図と一致しているかを表す指標です。キーワードの検索意図を踏まえて、適切な広告を出稿できれば評価は上がります。
▼ランディングページの利便性
クリック先のランディングページが、ユーザーにとってどれほど有益であるかを表した指標です。情報の正確性や検索意図との合致度合い、テキストの文言、ページデザイン、フォームの設置箇所などを総合的に考慮して決定されます。
3.広告アセットや広告フォーマットの見込み効果
広告アセットとは、見出しやリンク、電話番号、住所などの特定情報を追加できる機能のことです。広告アセットの内容が追加されるほど、検索結果画面でユーザーにとっての視認性も上がり評価されやすくなります。
この広告アセットで組み込まれた内容や広告フォーマットと、キーワードの関連性が高ければ、掲載順位も高くなる可能性があります。
4.広告ランク
広告ランクとは、検索結果画面上のどの位置に広告を表示させるか決定する指標です。リスティング広告では、質の高い広告を表示できるよう掲載順位ごとに最低限の品質基準を設けています。その基準を満たすものが検索結果に表示されるのです。
広告ランクは一定ではなく、広告が表示対象となるたびに毎回算出されます。その都度ごとの広告の品質や競合の状態、ユーザーの検索意図などに応じて変動する仕組みです。
基本的には「広告の品質」と同じく、検索意図との合致度合いやリンク先ページのクオリティなどが高ければ、広告ランクも上がりやすいと言われています。
5.広告のコンテキスト
広告のコンテキストとは、以下のような要素をもとにユーザーが検索に至った背景を探り、広告の関連性を調べる指標です。
▼コンテキストの指標の例
検索キーワード
検索時のユーザー所在地
使用デバイス
時刻
ユーザーの属性
ユーザーの他の検索結果
検索語句の性質 etc
費用の決まり方
費用の決まり方の前に、リスティング広告の課金方式を確認しておきましょう。
リスティング広告の費用支払い方式は「クリック課金」が一般的です。クリック課金とは、ユーザーが掲載広告をクリックして初めて料金が発生する仕組みを指します。実際の成果に応じた費用を支払えばよいため、広告主からすると高い費用対効果を望めるでしょう。
クリック課金の費用は「1クリックで何円」という形で決まりますが、具体的な1クリックあたりの相場は、複数の要素によって変動します。
キーワードの競争率
商品やサービスの種類
出稿時期
媒体
自社の業界 etc
広告出稿前に考えておきたいこと
実際にリスティング広告を出稿する際は、以下のポイントについて考えておきましょう。
目的を明確にする
ターゲットの選定
キーワードの選定
予算の設定
目的を明確にする
リスティング広告は、自社商品やサービスに関心があるユーザーと親和性が高いキーワードを設定することで、効果的にアプローチできる手法です。適切なキーワードを設定するには、ターゲットを明確に定めて「何に興味を持つのか?」「どんな単語で検索するのか?」などを正しく予測することが欠かせません。
もちろんリスティング広告を出稿するうえでは、CPAやCV、予算などの数値目標も大切です。しかし、数値目標にとらわれすぎる必要はありません。まずは大前提となる「広告を出す目的」を明確にすることで、目的達成に近付く施策を実行できるようになります。
明確な目的を設定できれば、広告出稿後にゴールと照らし合わせて、費用対効果を正しく認識できるでしょう。
ターゲットの選定
Googleのリスティング広告では、主に以下の項目をもとに配信先の詳細を設定できます。
ユーザー属性(性別や年代、収入、職業、子供の有無など)
ユーザーの興味・関心
広告の配信先デバイス
配信地域
配信する曜日や時間帯 etc
配信先の詳細項目を決めるには、自社商品やサービスのターゲットを選定することが大切です。
ターゲットの選定時は、カスタマージャーニーマップを作成しペルソナへの理解を深めることで、より具体的なイメージを持つことができます。
▼カスタマージャーニーマップ
ターゲットが自社商品やサービスを認知し、実際に購入するまでの一連のプロセスをまとめたものです。認知や情報収集、初回購入などにおけるターゲット行動を予測して、プロセスごとの施策や課題点などを整理できます。
▼ペルソナ
自社商品やサービスのターゲット像を、より具体的なレベルまで落とし込む考え方です。年齢や性別、居住地だけでなく、趣味嗜好や価値観、抱えている悩みなどまで踏み込むことで施策をより詳細に設定できます。
キーワードの選定
ターゲットを決めたら、広告を出稿するキーワードを選定します。キーワードは「軸キーワード→サブキーワード」という順番で選定することがオススメです。
▼軸キーワード
単一で最も大きなボリュームを持つキーワードのことです。自社商品やサービスに合わせて選ぶことが基本です。例えば「学習塾」「自転車」「ウォーターサーバー」「シューズ」「スマホ」など幅広いものが該当します。
なるべく多くの軸キーワードを洗い出して、商品やサービスを一言で表せる適切な単語を設定します。絞り込む際は、検索ボリュームやユーザーが検索時に使うであろう単語などを考慮しましょう。
軸キーワードを決めたらサブキーワードを選定します。
▼サブキーワード
軸キーワードの後ろに掛け合わせられるキーワードのことです。例えば、軸キーワードが「学習塾」であれば、以下のようなサブキーワードが考えられます。
学習塾 オンライン
学習塾 個別指導
学習塾 安い
学習塾 国公立対策
学習塾 集団授業
軸キーワードとサブキーワードは、キーワードプランナーやラッコツールズなどを使って見つけてもよいでしょう。検索欄のサジェストワードも参考にできます。
最後に、自社のターゲットと照らし合わせて適切なキーワードを選定しましょう。例えば、オンラインで受けられる学習塾を探している人に向けてアプローチするのであれば、「学習塾 オンライン」で出稿するなど考えられます。
予算の設定
リスティング広告の予算は「20万〜50万円程度/月」が一般的です。ただし、広告を出稿する商品やサービスの種類によっても変動するため、一概には言えません。
例えば高級外車や住宅など客単価の高い商品を扱う場合、リターンが大きい分クリック単価も高くなりやすく、予算も膨らみます。また、競争率の高いキーワードもクリック単価は上がりやすいでしょう。
広告に力を入れている大企業では、毎月1,000万円以上の予算を投下しているケースもあります。そのため相場にとらわれすぎず、自社の商品単価やキーワードの競争率、広告への力の入れ具合などを考慮して、見合った予算を設定できれば問題ありません。
リスティング広告は予算設定が柔軟にできるため、まずは目標を定めて予算を設定し、運用を始めてみることが大切です。
目標を設定して予算を算出する
リスティング広告では、目標となる指標を設置してから具体的な予算額を決めます。目標となる指標は、以下2つの要素をもとに考えます。
▼CV(コンバージョン)
広告出稿によって得られた最終的な成果のことです。例えば「月に100人会員登録者が増えた」「1週間で10件の資料請求を達成した」などが挙げられます。
▼CPA
上記のCVを1件獲得するために投下した広告費用のことです。計算方法は「広告費用÷CV数」です。例えば、20万円の予算を投下して20件のCVを達成した場合、CPAは「20万円÷20件=1万円」となります。
上記2つの指標を定めたら、以下の計算式で予算を算出しましょう。
▼予算=目標CPA×目標CV数
例えば、目標CPAを3,000円・目標CV数を10件と設定した場合、必要な予算は「3,000円×10件=3万円」となります。
目標CPAおよびCV数を参考に予算を決めることで、自社の予算から大きく費用が外れることはありません。仮に外れたとしても、「想定と◯◯くらい違ったから△△円程度の調整をしよう」というように柔軟に対応できます。
予算を設定する際の注意点
予算を設定する際は、必ず撤退ラインを設定しておきましょう。
リスティング広告の運用結果が不調な場合に、やたらと入札単価を上げる場合もあります。繰り返しになりますが、リスティング広告の掲載順位は、入札単価以外にもコンテンツの質やキーワードの競争率など、複数の要素が絡まって決まるものです。
もし掲載順位の上がらない原因が他にある場合、予算を増やしても改善できるとは限りません。「◯◯円まで単価を上げても成果が出なければ、このキーワードから一旦撤退して広告内容を見直す」というように、撤退ラインを見極めることが重要です。
【実践】Googleでリスティング広告を出稿してみよう
それでは実際にリスティング広告を出稿してみましょう。具体的な参考画像なども交えながらわかりやすく解説していくので、出稿を検討している方はぜひ参考にしてください。
▼リスティング広告の出稿手順
広告アカウントを開設
キャンペーン作成
広告文の作成
入稿・審査
1.広告アカウントを開設
まずは広告アカウントを開設しましょう。
Google広告の公式サイトへアクセスして、画面右上にある「今すぐ開始」をクリックしてください。
次に、ログイン画面左下の「アカウントを作成」から必要情報を記入して登録しましょう。
2.キャンペーン作成
アカウントを開設したら、リスティング広告で出稿する内容を「キャンペーン作成」で設定していきます。
▼キャンペーン
広告やキーワードを管理するカテゴリーのことです。広告配信に必要な、以下の項目を設定できます。
リスティング広告を出稿する目的
配信形式
ターゲット
配信ネットワーク
配信の開始日および終了日
配信地域
言語
予算
入札単価
まずは「新しいキャンペーンを作成」をクリックしましょう。
以下の画面が表示されるので、キャンペーン目標を選択します。今回は、「見込み顧客の獲得」を選択しました。
次はキャンペーンタイプを選択します。今回はリスティング広告の開始手順なので、「検索」をクリックします。
そのまま画面を下にスクロールすると「目標達成方法」「コンバージョン目標」「キャンペーン名」を設定する画面が表示されるので、それぞれ選択・入力します。完了したら、右下の「続行」をクリックします。
単価設定では、重視している要素をはじめに聞かれます。
「次へ」を押すと、地域や言語など、細かなキャンペーン設定を行う画面に遷移します。なお、キャンペーンの設定条件は後から変更することもできるため、あまり迷いすぎなくても大丈夫です。
3.広告文の作成
キャンペーンを設定したら、実際に表示される広告文を作成していきます。実際の画面例は以下です。
▼広告文作成で必要な内容
①最終ページURL
広告をクリックしたユーザーが遷移するページです。
②広告見出し
トップに表示される広告のタイトル部分です。1見出し半角30文字が上限で、15個まで設定できます。1キャンペーンにつき、最低3つは必須です。
③表示URLのパス
表示されている最終ページURLの後ろに設定できる、任意の文言のことです。2つまで設定でき、それぞれ半角15文字が上限です。
④説明文
広告見出しの下に表示される、詳細を説明したテキスト部分です。1つの説明文につき半角90文字まで、4つまで設定できます。1キャンペーンにつき、最低2つは必須です。
広告文を作成したら、配信するキーワードも選択しましょう。キーワード選択時は、マッチタイプと除外キーワードの設定も行います。
▼マッチタイプ
出稿したキーワードが「どの程度までユーザーの検索ワードと一致したら配信対象にするか?」を定めたものです。以下の3種類に分かれます。
インテント マッチ(旧部分一致):指定キーワードおよび関連キーワードで検索されたら配信する。狙ってキーワードそのものは含まれないこともある
フレーズ一致:指定キーワードと同じ意味を含むキーワードで検索されたら配信する
完全一致:指定キーワードとまったく同じキーワードあるいは意図で検索されたら配信する
▼除外キーワード
広告の表示対象から特定の検索キーワードを除外することです。
4.入稿・審査
必要な情報をすべて記入して入稿まで終えたら、媒体による審査が実施されます。Googleのリスティング広告では、基本的には1営業日以内に審査が完了します。
審査が完了し、問題なければ、早速リスティング広告が配信されます。
リスティング広告を成功させるためのポイント
リスティング広告は、漠然と配信しても思うような成果を出せません。自社の狙うCVを達成するためにも、以下のポイントを押さえて運用しましょう。
自社や競合、マーケットを正しく理解する
他の広告手段と併用する
必要であれば専門家に相談する
自社や競合、マーケットを正しく理解する
リスティング広告では、限られた広告枠をめぐって競合他社とオークションになることもあります。どれだけ集客の見込めるキーワードだとしても、「競争率が高く出稿できない可能性がある」というのは避けたいところです。
こうした状況を避けるには、自社や競合、マーケットの現状理解が大切です。幅広い側面から自社に関する状況を正しく理解できれば、競争率の低い穴場キーワードを見つけたりユーザーの気持ちに立って自社のCVにつながりやすいキーワードを探したりすることに役立ちます。自社が戦いやすいキーワードに適切な予算を投下できれば、高い費用対効果も望めます。
他の広告手段と併用する
Web広告には、リスティング広告以外にも以下のようにさまざまな種類があります。
▼ディスプレイ広告
サイトやアプリなどに設けられた広告枠に表示する手法です。
▼SNS広告
X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなど、自社ターゲットに合わせたSNSへ広告を配信する手法です。
▼リターゲティング広告
一度自社サイトを訪問したユーザーに対して、別のタイミングで再度自社に関する広告を配信する手法です。
広告手段ごとで配信できる層や具体的な施策などは異なります。リスティング広告だけでは捉えきれないニーズを掴むためにも、他の広告手法と併用することが大切です。
必要であれば専門家に相談する
リスティング広告を出稿するうえでは、競合やマーケットの状況把握や適切なキーワード設定など、専門知識を必要とする場面が多く発生します。特に今まで本格的な広告運用経験がない企業では、「自社にマッチするキーワードはなんだろう」「設定はできたが、今後運用していくイメージが持てない」など、さまざまな疑問を抱えがちです。
そのような場合は、リスティング広告の知見を持つ専門家へ相談することも検討しましょう。専門家へ相談できれば、適切なキーワード設定へのアドバイスはもちろん、マーケットの状況を踏まえた適切な予算設定についてもサポートしてもらえます。
自社で漠然と広告を運用しても、思うような成果はなかなか得られません。長期的に自社の売上を安定させるためにも、専門家へ依頼し正しい方向性で広告を運用する環境を整えることも大切です。