SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、以下のようなSNSを利用して、製品やサービスを宣伝するマーケティング手法です。ブランドの認知度向上や顧客との関係構築を目的に行われることが多いです。
基本的に、どのSNSもアカウント開設自体は無料でできるため、デジタルマーケティングに割ける予算が少ない中小企業などでも取り組みやすいとされています。
▼SNS(例)
X(旧Twitter)
Facebook
Instagram
YouTube
LINE
TikTok
SNSは、サービスに登録したユーザー同士がコミュニケーションをとり、双方向的なやり取りができる点が最大の特徴です。また、投稿に対する「いいね」の数など、SNS上のユーザーの反応からニーズを見出したり、「リポスト」などを通じた瞬間的な情報拡散も期待したりできます。
SNSマーケティングが注目される理由
SNSマーケティングの概要は理解していても、なぜ今注目が集まっているのか、まだ疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
本章では、SNSマーケティングが注目される理由や必要性について解説します。
個人・企業によるSNS利用率の向上
今日では、SNSは幅広い層が利用するツールです。
総務省の調査「令和4年通信利用動向調査」によると、個人のSNSの利用状況は、どの年代においても令和3年度から増加しており、全体の80%が利用していることがわかります。特に、13〜19歳や20〜29歳、30〜39歳といった若者の間では、90%以上がSNSを利用しています。
参照:総務省「令和4年通信利用動向調査」
SNS利用者の母数が多いことは、より多くのユーザーをターゲットとした情報発信ができることに直結します。さらに、これまで接点の持ちづらかった層にもアプローチできる可能性も期待できるでしょう。
SNSで情報収集をする人の増加
SNSは単なるコミュニケーションツールではなく、情報収集など他の目的で利用しているユーザーも増加しています。
総務省の「令和4年通信利用動向調査」においては、SNSユーザーのうち64.5%が情報収集を利用目的に挙げています。そのため、SNSで情報発信しないことの機会損失は大きいものになるでしょう。
参照:総務省「令和4年通信利用動向調査」
また、SNSで情報収集を行うユーザー行動を活かし、購買活動につなげることも可能です。SNSを通じて、認知の拡大やブランディングを行えます。特に、経済産業省の「新しい市場ニーズへの対応」によると、Z世代の購買行動は徹底的なリサーチの元で行われるという特徴があります。そのため、SNSマーケティングを行うことで、Z世代の顧客獲得の可能性も高まります。
SNSマーケティングで使われる主なSNS
冒頭でも触れましたが、本章では代表的なSNSについてそれぞれの特徴を解説します。
▼SNS(例)
X(旧Twitter)
Facebook
Instagram
YouTube
LINE
TikTok
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、140字以内の短文に加えて画像や動画、リンクを投稿することができるツールです。
総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、男女で見るユーザー傾向の差はありませんが、20代を筆頭に、10~30代の利用率が高い傾向が見られます。
参照:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
Xの特徴としては、「いいね」や「リポスト」など、拡散に長けた機能が充実している点です。例えば、自身が「いいね」や「リポスト」を行った投稿は、フォロワーのタイムライン上にも表示されます。加えて、多くの人が「リポスト」した投稿は、フォロワーでない人のタイムラインにも表示されます。
また、ユーザー登録の際に本名を求められず、匿名性が高いことから、率直な意見や感想が投稿されやすいのも特徴です。企業にとっては、商品やサービスの生の声が得やすいため、ユーザーのニーズを把握し、商品やサービスの改善につなげることができます。
Facebook
Facebookは、全世界での月間アクティブユーザー数が30億人であり、世界一のユーザー数を持つSNSです。
総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、利用率が高い年代は、30〜40代です。
参照:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
FacebookはXと同様に、短文の他に画像や動画、リンクを投稿できます。
Facebookの最大の特徴は、年齢や実名、居住地など、細やかかつ正確なプロフィールを登録している点です。そのため、他のSNS広告以上に細かなターゲティングが可能です。また、実名での登録のため、ビジネスシーンでの利用にも親和性があり、企業による投稿も自然に受け入れられることが期待できます。
Instagram
Instagram公式の発表によると、月間アクティブアカウント数は世界で20億以上(2022年10月時点)、日本で6,600万以上(2023年11月時点)と明らかにされています。(参考:Meta Platforms, Inc.(META)「Third Quarter 2022 Results Conference Call | October 26th, 2022」)。
総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、10~20代内の利用率は70%以上、30代内の利用率は60%以上となっており、若年層での利用率が高くなっています。
参照:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
Instagramは画像や動画の投稿を通じてコミュニケーションを取ることができるツールです。そのため、衣料品などのビジュアルに訴えかけたい場合におすすめです。
また、ハッシュタグを活用することで、情報収集を行っているユーザーに対してアプローチできます。ハッシュタグで検索するユーザーは、顕在ニーズを持ったユーザーのため、顧客獲得やCV獲得につながりやすいです。
YouTube
YouTubeは、Googleが提供する動画投稿ツールで、世界中にユーザーがいます。
総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、YouTubeの全世代利用率は87.1%と、約90%に普及していることがわかります。また、男女ともに高い利用率です。
参照:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
これほどの数のユーザーがいれば、潜在顧客、見込み顧客、既得顧客など、さまざまなタイプのユーザーがいることが見込まれます。また、YouTubeは動画を投稿するため、視覚と聴覚の両方に訴えることができます。
statista社の調査「Market share of leading desktop search engines worldwide from January 2015 to January 2024」によると、YouTubeを提供するGoogleは世界で約82%のシェアを誇る検索エンジンであることがわかります。
参照:statista「Market share of leading desktop search engines worldwide from January 2015 to January 2024」
YouTubeはGoogleの検索結果に表示されやすくなっています。そのため、YouTubeを活用してSNSマーケティングを行うことで、世界中の多くのユーザーの目に留まる可能性を高めることができます。
LINE
LINEは、若年層から高齢者まで、幅広い年代で利用されているため、幅広いユーザーにリーチできます。
総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全年代の利用率が94.0%であり、男女比でみた場合でも、ともに90%を超えています。
参照:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
また、LINEヤフー for Businessの公式発表によると、「ウェブサービスはLINEしか利用していない」と回答したユーザーは39.6%でした。日本国内では幅広いターゲット層がLINEを活用していること、SNSではLINEしか使っていないユーザーもいることからも、LINEを活用することで、幅広いターゲット層にリーチすることができるでしょう。
TikTok
TikTokは若い世代に広く浸透しています。
総務省の「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、10代は66.4%、20代は47.9%となっており、10~20代の約半数が利用していることがわかります。
参照:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
TikTokは、縦型のショート動画をシェアできるスマートフォン向けツールです。楽曲に合わせて歌い踊る姿の投稿や、おすすめの商品を紹介する動画など、エンタメ中心の動画を投稿するユーザーの多いSNSです。ショート動画に特化している点があり、ビジュアル面での訴求に向いています。
SNSマーケティングのメリットとその効果
ここまで、各SNSの特徴について説明してきました。本章では、SNSマーケティングのメリットや効果について解説します。
顧客ロイヤリティを醸成できる
SNSマーケティングでは、ユーザーと双方向のコミュニケーションをとることができます。リプライやダイレクトメッセージを通じて、顧客の質問やフィードバックに即座に対応することが可能です。これにより、顧客は企業との距離を近く感じ、親しみやすさや信頼感が増します。
また、「いいね」や「シェア」、「コメント」といったSNSの機能を活用することで、顧客とのエンゲージメントを高めることができます。例えば、顧客が投稿に「いいね」を押したり、コメントを残したりすることで、顧客は企業と積極的に関わる機会が増えます。繰り返しコミュニケーションを行う中で、親近感を抱きやすくなるでしょう。
ユーザーに親しみや信頼を感じてもらうことは、商品へのファン化や信頼性の獲得にもつながり、顧客ロイヤリティが醸成されやすくなります。
商品やサービスの認知を拡大できる
SNSは情報伝達スピードが速いことが特徴です。ホームページを更新した場合、熱心なファンでなければ気づかないことも多いですが、SNSで情報を発信すれば、多くのユーザーに伝達できます。
また、拡散力の高さも特徴の1つです。プラットフォームによっては、ユーザーがフォローしていないアカウントの投稿であっても、おすすめとして流れてきます。「いいね」や「リポスト」などの機能があるものであれば、より多くの人に表示されます。そのため、ニーズを自覚しておらず、検索行動を行っていない潜在顧客へのアプローチも可能です。
効果的なユーザーニーズの汲み取りに役立つ
SNSは、リプライやダイレクトメッセージなどでユーザーとやりとりが可能です。フォロワーが引用投稿しているものを見るなど、積極的に情報収集を行うことで、生の声を知ることもできます。また、いいねやインプレッション数などの数字を見て、どのような投稿が人気か見ることで、ユーザーのニーズを把握できます。
情報収集やユーザーニーズの把握には、アクセス解析ツールを併用することも1つの手段です。分析までをデジタル化することで、効率的なマーケティングの遂行が期待できます。
商品やサービスのブランディング効果が期待できる
SNSマーケティングでは、定期的かつユーザーの興味を引くアカウント運用やインフルエンサーによる自社商材の紹介など、認知してもらうだけでなく、イメージアップを図ることも可能です。
注意点としては、一貫性のあるスタンスが大切になります。ブランドとしてのコンセプトがぶれないよう、アカウントの運用方針や起用するインフルエンサーなどに対して、しっかり戦略を立てて挑むことが求められます。
低コストで始めることができる
アクティブユーザーの多いXやInstagramなどの主要SNSは無料で始めることができ、導入のハードルが低くなっています。広告を出稿しなくても、情報発信を継続して行うことで、関心のあるユーザーへのリーチが期待できます。
SNSマーケティングに取り組むべき企業の特徴
SNSマーケティングの重要性はわかったものの、自社がそれに取り組むべきか悩んでいるという人も居るのではないでしょうか。本章では、SNSマーケティングに取り組むべき企業の特徴について解説します。
潜在層へ認知を拡大し、事業拡大を図りたい
企業の中には、同じ顧客層のみを頼りにしていては、将来に不安がある企業も多いのではないでしょうか。顧客層を拡大するためには、潜在顧客層にアプローチすることが必要です。
SNSでは、InstagramやYouTubeのように、テキストに加えて画像や動画を取り入れることができるものもあり、視覚的に訴求することが可能です。また、相手がどんな投稿にリアクションや興味を示しているかを知ることができます。
そのため、SNSマーケティングを行うことで、自社の商品やサービスを多くの潜在顧客に紹介し、ブランド認知を高めることができます。まだ認知が得られていないスタートアップ企業や新商品を発売したばかりの企業におすすめです。
既存顧客との関係を強化したい
SNSでは、ユーザーとコミュニケーションを簡単にとることができます。来店時などにSNSを登録してもらい、SNSを通じて定期的に情報発信を行うことで、再来店のきっかけを作ることができます。
また、「いいね」や「シェア」、アンケートなど、ユーザーからのフィードバックなどを収集することでニーズを把握できます。ユーザーニーズを基に商品やサービスの改善を行うことで、顧客満足度の向上につながります。
SNSを通じて顧客満足度を向上させることができるため、サービス業や小売業におすすめです。
SNSマーケティング5つの手法と特徴
ここまで、SNSマーケティングのメリットや取り組むべき企業の特徴などを解説してきました。実際にSNSマーケティングを行う場合、さまざまな手法を選択できます。本章では、実際にSNSマーケティングを実施する際にどのような手法があるのか、特徴とともに解説します。
SNSアカウント運用
自社アカウントを開設して、情報発信、顧客とのコミュニケーションなどの運用をする方法があります。この場合、適切な頻度での情報発信が肝要です。顧客の来店頻度や新商品が発売される頻度などを基に、投稿頻度を検討します。自社の投稿が他アカウントの投稿に埋もれないために、競合他社と同程度の投稿頻度を目指すことも目安の1つになります。
フォロワー数の少ない最初の段階では、フォロワー数を増やすためにも、ユーザーへのリプライやフォロー返しなどを積極的に行い、コミュニケーションをはかるという手段が基本です。
SNS広告
SNSでは、広告を配信することが可能です。利用するSNSによっては、文章やリンク以外に、画像や動画、ハッシュタグなどを入れ込むことができます。SNS広告の特長として、タイムラインに広告以外の投稿と同じように表示されるため、抵抗なく受け入れてもらいやすいことがあります。
SNS広告は有料ですが、少額から始めることができ、予算調整も行いやすくなっています。運用にあたっては、解析ツールなどで効果測定をしながらコンテンツの質を高めていく事が重要になります。
SNS広告については「SNS広告とは|各SNS広告の特徴、費用、選び方を解説」でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングとは、SNS上にあるユーザーの生の声を収集・分析してビジネスに活かすというビッグデータ活用法です。企業が実施するアンケートなどではわからないユーザーの本音がわかること、規模が大きいことがメリットです。
ソーシャルリスニングでは、多くの効果を期待できます。
▼ソーシャルリスニングで期待できること
ブランドや製品の評判、イメージ、口コミ内容の把握による改善活動
消費者の「顕在ニーズ」の把握と「潜在ニーズ」の読み取り
広告配信・プロモーションの効果測定と分析
業界トレンドの把握、予測
競合他社分析、SOV(シェア・オブ・ボイス)を把握した施策展開
炎上、風評被害へのリスク対策
データ収集とその分析に特化したソーシャルリスニングツールもあり、より発展したマーケティングを展開したい企業におすすめです。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンとは、SNS上で行うユーザー参加型のイベントのことです。具体的には、「アカウントをフォロー、ハッシュタグをつけて投稿すると抽選でプレゼントが貰える」などがあります。
リポストなどが行われると、SNSを登録していなかったユーザーのタイムラインにも投稿が表示されるなど、企業のSNSが幅広いユーザーに拡散されます。潜在顧客の目にもとまり、「話題・人気がある」というイメージを持ってもらえる可能性があり、ブランディングに繋がります。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーと呼ばれる、インスタグラマーやユーチューバーのようにSNS上で知名度や拡散力が強い人に自社の商材を紹介・宣伝してもらい、認知拡大・売上向上を図るものです。
影響力のあるインフルエンサーと連携することで、SNS上での認知度や信頼性を高め、広範なユーザーにリーチできます。また、広告感がなく、インフルエンサーのコンテンツの1つとして受け入れてもらえやすいのが特徴です。
インフルエンサーマーケティングを行う上で、「ステルスマーケティング(ステマ)」に注意が必要です。ステマとは、企業による広告や宣伝の一環であるにもかかわらず、一般の投稿などと区別が難しい状態で表示されることを言います。適切な情報を基にした消費を妨げる行為であるとして、2023年10月1日より、消費者庁の景品表示法によって、規制されています。
【目標別】SNSマーケティング手法を紹介
一言でSNSマーケティングと言っても、目標によって取るべき手法は異なります。プラットフォームによってユーザーの年齢層は異なりますし、手法が違えば得られる効果も異なります。そのため、SNSマーケティングを始める上では、目標やターゲットを明確にすることが重要です。
本章では、目標別のおすすめ手法を解説します。
目標1:新商品発売にあたり、商品の認知を獲得したい
SNSマーケティングのうち、インフルエンサーマーケティングを行うことをおすすめします。インフルエンサーマーケティングを活用することで、インフルエンサーが持つ拡散力を利用して商品の認知を高めることができます。
また、SNS広告もおすすめです。画像や動画を伴うSNS広告であれば、視覚的にアプローチすることができ、認知を得ていない場合でも興味を引きやすくなります。
SNS広告については、「SNS広告とは|各SNS広告の特徴、費用、選び方を解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
目標2:商品やサービスのリピーターを獲得したい
リピーター獲得を目的にSNSマーケティングを行いたい場合、SNSアカウントの運用がおすすめです。
アカウントの投稿などを通じて、ユーザーとコミュニケーションを取ることができます。定期的なコミュニケーションを通して、ユーザーは企業に親近感を抱くようになります。その中で、商品やサービスのファンを獲得することが期待できます。
また、コミュニケーションの中で、ユーザーの反応の分析やアンケートの実施などを通じてユーザーのニーズを知ることができます。ユーザーのニーズを商品やサービスの改善につなげることで、顧客満足度の高い商品やサービスに改良できます。
目標3:繁忙期に集客したい
SNSマーケティングのうち、SNSキャンペーンがおすすめです。SNSキャンペーンでは、ユーザーに対して、リポストやハッシュタグなどの高い拡散力を期待できる反応を促すことができます。
潜在顧客の目にも留まりやすくなり、「今話題である・流行である」というイメージを付けることができます。
SNSマーケティングを実施する際の注意点と対策
ここまで、SNSマーケティングについて解説してきました。SNSを利用するマーケティング手法のため、注意点もいくつかあります。
ネットリテラシーを持って運用する
SNSマーケティングのメリットとして、情報の拡散力の高さを挙げましたが、それはデメリットにもなり得ます。
誤って不適切な投稿をした場合、すぐに拡散されてしまうため、自社アカウントが削除した場合であっても、ネット上からは完全には消えません。
SNSには、特有のマナーやセキュリティ意識なども必要です。そのため、リテラシーのある人物が担当になる必要があります。
ステルスマーケティング(ステマ)に注意する
「ステルスマーケティング(ステマ)」を行わないように注意する必要があります。
ステルスマーケティング(ステマ)とは、インフルエンサーなどを用いて消費者に広告・宣伝と気づかれないように行われる広告・宣伝のことです。消費者庁によって、消費者が自主的かつ合理的に商品やサービスを選ぶことを妨げないことを目的として、2023年10月1日から景品表示法にステマ規制が追加されました。
規制に違反すると、ステマと認定された投稿などの差し止めや再発防止措置を求められます。また、措置命令を受けたことは消費者庁のウェブサイトで公表されるため、企業イメージの低下につながります。
ネガティブな意見にもきちんと対応する
SNSでは、時にネガティブな意見が寄せられることがあるかもしれません。こういった意見に適切に対応しなければ、ブランドイメージが悪化する可能性があります。
ネガティブな意見には迅速かつ誠実に対応することが重要です。問題の解決策を提供し、顧客の意見を尊重する姿勢を示すことで、信頼関係の維持やブランドイメージの向上につながります。一方でデマや誹謗中傷など、自身に非が一切ないと断言できるものに対しては、企業として毅然とした対応が必要です。
そのためにも、ネガティブな意見に迅速に対応できる組織の仕組み作りも整えておくことが重要です。
SNSマーケティングを成功させるためのポイント
SNSマーケティングを行う上で、抑えると良いポイントを紹介します。
消費者「個人」とのコミュニケーションを心がける
SNSマーケティングの強みは、消費者との距離の近さや、一方的ではなく相互にコミュニケーションを図れる点です。
細かくターゲティングを行った広告配信や、ユーザーの意見に対して真摯に対応するなど、ユーザーの反応1つ1つに対して反応することを心がけましょう。それにより、ユーザーに「その他大勢ではなく、自分ひとりに対応してくれている」という感覚を持たせることができ、信頼関係からのイメージアップ、顧客ロイヤリティ醸成へとつながります。
投稿に一貫性を持たせる
ブランドについて一貫性のある定期的な投稿を行いましょう。これは、フォロワーの混乱防止やユーザーのエンゲージメント低下を防止するためです。SNSの運用は企業のブランディングを兼ねることになるので、一貫性は重要です。
例えば、毎日絵文字入りの文章で投稿していた企業アカウントが急に投稿頻度が週1になり、文章にも絵文字が全くない投稿になった、という場合、フォロワーも混乱しますし、企業のイメージも伝わらなくなります。
一貫性を失わないためにも、SNSを運用するチーム内で運用の体制をしっかり整えることが重要です。投稿のタイミングや内容などをしっかり打ち合わせて準備が必要です。
長期的な運用を意識する
ユーザーとの信頼関係を徐々に構築していくSNSマーケティングは、開始からすぐに効果が出る施策ではありません。想定した効果がすぐに得られないからといって、十分に原因を分析することなく新しい施策に移るだけでは、良い成果を期待できません。
PDCAを回すことや、適切な分析手法・ツールを使うことなどを意識し、地道な運用を心がけましょう。
SNSマーケティングと合わせて行いたい施策
ここまで、SNSマーケティングについて、実施時の注意点などとともに解説してきました。
マーケティングは、複数の手法を併用することで、多方面からアプローチできます。本章では、SNSマーケティングと合わせて行うと良い施策を紹介します。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、顧客に価値のある情報やエンターテインメントを提供することで、ブランドへの信頼を築き、顧客を育てる手法です。
ブログ記事や動画、インフォグラフィック、電子書籍など、さまざまな形式のコンテンツを作成し、SNSでシェアすることで、顧客との関係を築くことができ、SNSマーケティングをより効果的にできます。
オウンドメディアの整備
SNSマーケティングの目的は、オウンドメディアに誘導し、商材の比較検討や購入、自社への理解獲得です。目的達成には、誘導先のオウンドメディアの充実も重要になります。SNSマーケティングを実施するとともに、高品質なコンテンツの作成や定期的な更新、SEO対策をしっかり行うことが重要です。
SEO対策とは、ウェブサイトやコンテンツを検索エンジンの検索結果で上位に表示させるための手法で、オウンドメディアを整備する上で欠かせない要素になります。適切なキーワードを選定することで、キーワードに興味を持つユーザーにリーチしやすくなります。
SEO対策について知りたい方は「SEOとは?今日からできる対策と基本となる考え方」の記事をご覧ください。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、顧客や見込み顧客に直接メールを送ることで、商品のプロモーションやブランドの認知度を高める手法です。SNSからオウンドメディアに流入した見込み客については、メールなどでやりとりして顧客を育成します。SNSマーケティングと同様に、定期的に配信することで、ロイヤリティの向上や再来店のきっかけ作りができます。