ショート動画とは
「ショート動画」とは、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームで視聴される短い動画コンテンツ全般を指す言葉です。主なターゲットは若年層のモバイルデバイスユーザーと言われています。
代表的なショート動画には、以下3つが挙げられます。
YouTubeショート
Instagramリール
TikTok
本章では各々の特色とマーケティング効果について解説します。
YouTubeショート
YouTubeショートは認知度向上とコンバージョン獲得に有効かつ手軽に投稿できるショート動画フォーマットです。
そもそもYouTubeは、全世界で月間20億人以上がログインし1日に700億回以上視聴されている、超大型プラットフォームです。総務省情報通信政策研究所の調査によると、若年層はもちろんのこと、殆どの世代で8割ほどのユーザーに利用されていることがわかります。
引用:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
ユーザー層が幅広いYouTubeショートを使えば、潜在顧客や見込み顧客、既得顧客までさまざまなタイプのユーザーにリーチできるでしょう。
Instagramリール
InstagramはLINEとYouTubeに次いで利用率が高いプラットフォームです。総務省情報通信政策研究所の調査によると、特に10〜20代の若年層で7割以上が利用しており、女性の利用率が男性よりも高いことがうかがえます。
引用:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
Instagramリールを活用して自社の商品・サービスを紹介する動画を投稿すれば、10〜20代の若年層や女性にリーチし、ターゲット層の認知度を高められます。また、Instagramの投稿をきっかけに商品購入などのアクションを起こすユーザーも多いため、認知だけでなくコンバージョン獲得も見込めます。
TikTok
TikTokは、縦型のショート動画を共有できるSNSで、若年層からの認知度を高めるために有効なショート動画フォーマットです。
総務省情報通信政策研究所の調査によると、全年代では約3割と他プラットフォームより少ないものの、10~20代の利用率は高い傾向が見られます。
引用:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
そのため、自社が若年層向けの商材を扱っている場合の認知拡大・購買促進に適したプラットフォームといえます。
企業がショート動画を活用するメリット
ショート動画は次の3つのメリットによって、デジタルマーケティングにおける活躍が期待できます。
スマートフォン1台で動画作成から投稿まで完結できる
エンゲージメント率が高い
拡散力があるため、多くのユーザーに手軽にリーチできる
本章では各メリットを具体的に解説します。
スマートフォン1台で動画作成から投稿まで完結できる
ショート動画を活用すれば、企業が時間とコストを抑えながら効果的にマーケティングを行えます。
ショート動画の作成はスマートフォン1台で完結できるため、撮影や編集などに必要な機材と専門知識は不要です。さらに通常の動画よりも尺が短いので、撮影や編集などにかかる時間とコストの大幅な削減も可能です。
エンゲージメント率が高い
ショート動画の活用は、短時間で視聴者の関心を惹き、ブランド認知度を向上させることが期待できます。
前述した通り、ショート動画は通常の動画と比べて尺が短いため、視聴へのハードルが低いうえに短時間での宣伝が可能です。人気ある投稿をきっかけにチャンネル登録者が増えれば、視聴者が自社の長期的なファンになる可能性が高まります。
エンゲージメント率が高いショート動画を活用すれば、視聴者からのブランド認知度を高め、自社の商品・サービスをアピールできます。
拡散力があるため、多くのユーザーに手軽にリーチできる
ユーザーにリーチしやすく拡散力が高いのも、ショート動画を活用するメリットです。
ショート動画は他のSNSを通じて拡散されやすく、ユーザーがスマートフォンのアプリを開くだけで簡単に視聴できるため、多くのユーザーにリーチできます。また、1本の動画が短いためユーザーの集中力が続きやすいうえに最後まで視聴してもらえる可能性が高いため、メッセージをしっかりと伝えられます。
ショート動画の活用が向いている業種は?
多くのユーザーに手軽にリーチできるショート動画ですが、業種によって向き不向きがあります。
ショート動画のメリットが特に発揮される業種は次の2つです。
本章では上記の業種がショート動画に向いている理由について解説します。
専門性の高い業種
不動産、法律、美容などの専門性の高い業種が専門知識を提供するショート動画を投稿すれば、視聴者の関心を惹き、自社の商品・サービスの購買促進が期待できます。
専門性の高い業種ではノウハウやハウツーなどの専門知識の提供が視聴者の役に立つとされ、人気が生まれやすい傾向があるからです。
不動産業界を例に挙げると、不動産鑑定士が解説する物件選びのポイントは引っ越しを検討している視聴者にとって有益であり、認知度向上が期待できます。
視覚で訴えられる業種
飲食、旅行、アパレル、化粧品などの視覚で訴える業種が商品の使い方や使っている様子などをショート動画で発信すれば、若い世代を中心に効果的なアピールができます。
視覚で訴える業種は動画との親和性が高く、商品の使い方や使っている様子などを発信すれば、ベネフィットの分かる商品説明になるからです。
飲食業界を例に挙げると、新メニューの紹介や料理の作り方などをショート動画で見せることで、視覚的に魅力を伝えられます。
企業がショート動画を成功させるためのポイント
企業がショート動画をマーケティングに活かすうえで、重要なポイントが5つあります。
ターゲット層、コンセプトを明確にする
複数プラットフォームで横展開する
最初の3秒でユーザーの心をつかむ
字幕を入れる
できるだけ簡潔な内容にする
本章では上記の5つを戦略と作成の2段階に分けて解説します。
【戦略】ターゲット層、コンセプトを明確に
企業がショート動画を成功させるうえで大切なのはターゲットとコンセプトの明確化です。
動画制作を始める前にペルソナを作ってターゲットを明確にすれば、視聴者に響く内容にしやすくなります。また、コンセプトを明確にしてからショート動画の世界観とストーリーに落とし込むと、一貫性のある魅力的なコンテンツが提供できます。
例えばスキンケア商品のショート動画を作る場合に、ターゲットを20代の女性・コンセプトを肌トラブルの解決にすれば「若い女性が朝のスキンケアルーティンを楽しみながら行う」など動画内容の具体化が叶うでしょう。
【戦略】複数プラットフォームで横展開
企業がショート動画を成功させるためには、YouTubeショートやTikTokなど複数のプラットフォームを活用し、多くのユーザーにリーチする戦略が効果的です。
1つのプラットフォームに限定せず、ショート動画をYouTubeショートやTikTokなど複数のプラットフォームに投稿すれば異なるユーザー層にアプローチできるからです。さらに、同じ動画を複数のプラットフォームに投稿すれば制作コストを抑えられるメリットもあります。
【作成時】最初の3秒でユーザーの心をつかむ
ショート動画はスワイプで簡単に次の動画に移動できるため、最初の数秒で視聴者が関心を持たなければ動画を見てもらえません。
キャッチーな問いかけや覚えやすい音楽などでスワイプの手を止めさせ、動画の冒頭で視聴者の興味を引きつけるのが重要です。
例えば掃除用品を紹介するショート動画の冒頭で「排水口の掃除って嫌ですよね?」と問いかければ、排水口掃除が面倒な視聴者に見てもらいやすくなったり、覚えやすい音楽を流せば曲を聴くために視聴を続けるユーザーもいるかもしれません。
【作成時】字幕を入れる
字幕を活用し、視聴者が音声をオンにしていない場合でも理解しやすい動画を制作すれば、発信内容に対する視聴者の理解が深まります。
ショート動画は音声がオンになっている状態で視聴されるとは限らないため、視聴者が見ただけで分かるように情報を発信する必要があるのです。
例えば商品紹介のショート動画では、商品の主な利点を簡潔なテキストと共に表示することで視聴者の理解促進にもつながるでしょう。
【作成時】できるだけ簡潔な内容にする
ショート動画の持ち味は短く手軽に視聴できる点です。
内容を詰め込み過ぎると視聴者にメッセージが伝わりにくくなるだけでなく、広告的な印象が強まって視聴者が脱落する可能性が高まります。
動画で伝えるメッセージは1つに絞り、分かりやすい説明を心がけてください。