ClickUpとLarkで迷い始めるタイミングとは?
Larkを活用した業務運用は、日常的なコミュニケーションや情報共有において高い効果を発揮します。一方で、業務量やプロジェクト数が増えるにつれて、次のような課題が出てくることがあります。
複数プロジェクトが同時進行していて、案件横断で進捗を追いにくい
タスクの依存関係が見えず、どこで止まっているか把握しづらい
確認待ちや相談内容がチャットの流れに埋もれやすい
過去の決定事項を探す時間が増える
全体像を把握している人に管理が依存しやすい
こうした状態は、単に「ツールが足りない」というより、会話の流れの中で進行管理までまかなうには限界が出始めているサインです。特に、関係者が増えたり、工程が細かくなったり、複数案件を並行で回すようになったりすると、チャット起点の運用だけでは全体像を見失いやすくなります。
そのため、Larkだけで運用し続けるのか、ClickUpのようにタスクやプロジェクトを構造的に管理できるツールを併用・導入するのかを見直すタイミングが重要になります。
ClickUpとLarkの基本的な立ち位置
ClickUpとLarkは、どちらも業務効率化に役立つツールですが、強みの出るポイントは異なります。Larkはコミュニケーション起点の情報ハブとして機能しやすく、ClickUpはタスク起点のワークマネジメント基盤として機能しやすいという違いがあります。
ClickUp | タスク・プロジェクトを起点に、進捗・期日・責任・依存関係を構造化しやすい |
|---|---|
Lark | チャット・会議・申請・情報共有を一つの場に集約しやすい |
両ツールとも小規模から大規模まで対応可能ですが、「何を起点に業務を管理するか」という点が大きな違いです。Larkはコミュニケーションを中心に情報を集約する“ハブ”として機能する一方で、ClickUpはタスクや期日、担当者を軸に、業務の流れや責任の所在を構造的に整理しやすい設計になっています。
ClickUpが得意とする領域
ClickUpの強みは、タスク単位の管理にとどまらず、案件全体の流れまで構造的に見える状態をつくりやすいことです。担当者・期限・優先順位・依存関係を整理しながら、進捗をチームで共有しやすいため、複数プロジェクトが並行する環境でも全体像を見失いにくくなります。
特に、次のような点が実務で役立ちます。
ステータスを自社の運用に合わせてカスタマイズできる
サブタスクで工程を細かく分けて整理できる
ガントチャートやダッシュボードで全体進行を俯瞰できる
担当者ごとの対応状況や確認待ちを見えやすくできる
そのため、「今どこで止まっているのか」「誰の対応待ちなのか」を案件横断で把握したいチームに向いています。なお、ClickUp Brain(ClickUpのAI機能)を利用できるプランでは、コメント要約やタスク文生成などを通じて、こうした運用負荷の軽減にも活用できます。
Larkが得意とする領域
Larkの強みは、チャットを起点に日常業務をスムーズに進めやすいことです。
チャット内でメールやカレンダー予定を共有できる
ビデオ会議をそのまま実施し、内容を記録しやすい
承認フローや勤怠管理などの業務をオンライン上で回しやすい
Base、OKR、ドキュメントなども活用できる
さらに、Base(データベース)やOKR管理、ドキュメント機能なども備えており、日々のコミュニケーションを中心に、申請や情報共有までひとつのプラットフォームに集約できる点が特徴です。
このように、Larkは単なるチャットツールではなく、コミュニケーションを中心に業務をつなぐオールインワンプラットフォームです。日々の相談や情報共有を止めずに仕事を進めたいチームには相性がよいでしょう。
ClickUpとLarkの比較表
ClickUpとLarkは、どちらか一方が常に優れているわけではありません。大切なのは、違いを把握したうえで「どちらが今の自社に合っているか」を判断することです。
観点 | ClickUp | Lark |
|---|---|---|
管理の起点 | タスク・プロジェクト起点 | チャット・コミュニケーション起点 |
得意なこと | 進捗、期日、責任の所在、依存関係を構造的に整理する | 日常的なやり取り、会議、申請、情報共有を一つの場で進める |
向いている状況 | 複数案件が同時進行し、関係者やタスクが多いとき | 比較的シンプルな案件が多く、コミュニケーションの速さを重視したいとき |
強み | 全体像を俯瞰しやすく、抜け漏れや責任の曖昧さを防ぎやすい | 日常業務を一元化しやすく、現場でのやり取りをスムーズに進めやすい |
気をつけたい点 | 運用ルールを決めないと入力・更新が形骸化しやすい | 案件数や関係者が増えると、情報が会話に埋もれやすい |
まとめると、Larkはコミュニケーションと情報共有を一つの場に集約するのが得意で、ClickUpは複数案件や複雑なプロジェクトの進捗・責任・優先順位を構造化して管理するのが得意です。
チャット中心の運用はスピード感がある一方で、案件数や関係者が増えるほど、「会話の流れ」と「業務の進行管理」を同じ場所で追い続けることが難しくなります。ClickUpは、その会話の中に埋もれがちな進捗・責任・優先順位を構造化しやすい点が強みです。だからこそ、運用が複雑化してきた企業から検討されやすくなっています。
費用感の比較|導入コストはどう考える?
ClickUpとLarkは、どちらも無料プランから利用を開始できます。2026年7月時点の公式サイトでは、ClickUpは Free Forever / Unlimited / Business / Enterprise、Larkは Starter / Basic / Pro / Enterprise などのプラン構成が公開されています。ただし、ツール選定では月額料金だけで判断しないことが重要です。両者は役割が異なるため、「どの業務をどこまで一つのツールに集約したいか」によって、費用対効果の考え方も変わります。
ClickUpとLarkの料金体系の考え方
項目 | ClickUp | Lark |
|---|---|---|
無料プラン | あり | あり |
課金単位 | ユーザー単位 | ユーザー単位 |
管理の起点 | タスク・プロジェクト | チャット・コミュニケーション |
たとえば、チャットや会議、申請業務まで含めて一つの環境で運用したい場合はLarkが候補になります。一方で、複数案件の進捗管理や担当者ごとの責任範囲を整理したい場合は、ClickUpのほうが適しているケースがあります。
また、すでにLarkを導入している場合は、いきなり全社で切り替えるのではなく、一部チームや特定業務でClickUpを試験導入し、どこまで構造化された管理が必要かを見極める方法も有効です。そのほうが移行コストや現場負荷を抑えながら判断しやすくなります。
※料金・プラン情報は2026年7月時点の公式情報をもとに整理しています。特にLarkの有料プランの料金・条件は更新される可能性があるため、最新情報は ClickUp公式サイト と Lark公式サイト をご確認ください。
ClickUpとLarkの違いを踏まえ自社にマッチするツールを選ぼう
導入を検討する際は、上記の違いを踏まえたうえで、自社にマッチしたツールを選ぶことが大切です。
ClickUp導入がフィットするケース
次のような状況であれば、ClickUpの導入や追加を検討する価値があります。
複数のプロジェクトを同時並行で管理したい
プロジェクトが複雑化しており、より細かくタスクを管理したい
全体の進捗状況をチームで共有したい
各タスクの責任の所在を明確にしたい
ClickUpでは、担当者の割り当て、期日の設定、カスタムステータス、ビューごとの可視化などにより、プロジェクト数が増えても全体像を把握しやすくなります。「今は誰の確認待ちなのか」「どこで業務が遅れているのか」といった情報も整理しやすいため、責任の所在を明確にしながら進めたいチームに向いています。
Lark導入がフィットするケース
一方で、Larkを中心に運用しやすいのは次のようなケースです。
日常的な業務をチャット上に集約したい
リアルタイムなコミュニケーションを重視したい
比較的シンプルな案件を素早く回したい
業務の関係者が少なく、やり取りの範囲が限定的である
Larkでは、普段のコミュニケーションスピードを保ちながら、会議や共有、申請などをつなげて進めやすくなります。ただし、複数案件や社内外メンバーが増えると、確認漏れや抜け漏れが起きやすくなるため、その段階で管理設計の見直しが必要になります。
導入のステップ
最初は一部チームや一部業務から併用を試す
「担当プロジェクト数が増えた一部チームで導入する」「記事制作や営業案件など、特定の業務フローから試す」といった形で、小さく始めるのがおすすめです。小規模で始めれば、「ツールの特性と業務が合っているか」「現場で無理なく定着するか」を見ながら調整しやすくなります。
社内のサポート体制を整備する
社内でツール運用を定着させるには、現場任せにしないことが重要です。例えば、以下のようなサポートが考えられます。
ClickUpとLarkの社内向けマニュアルを用意する
導入初期に勉強会や運用ルール共有の場を設ける
ツール利用に関する相談窓口を用意する
リーダー・マネージャー・経営層が率先して活用する
ツール導入は、単に機能を増やすことが目的ではありません。業務をより効率化し、確認漏れや属人化を減らすための設計として考えることが大切です。











