AEO対策とは?定義を解説
まず「AEO」とは、Answer Engine Optimizationの略称です。一般的に「応答エンジン最適化」と訳されます。そして「AEO対策」とは、ユーザーが以下のようなツールを活用して検索した際、自社コンテンツが「AIによる回答」として引用されるよう対策することです。
GoogleやYahoo!などの検索エンジン
チャットツール(ChatGPTやGemini、Claude、Perplexity AIなど)
音声チャット(Siriなど)
適切なAEO対策を実行しAIから自社コンテンツを引用されやすくすることで、ユーザーへの回答に表示する回数が増えます。
なぜ今AEO対策が重要なのか?
AEO対策が重要な理由として、大きく以下が挙げられます。
AIを活用した検索が普及しているから
「ゼロクリック検索」により上位表示だけでは認知されない可能性があるから
「AIに引用されやすいコンテンツ作り」はSEO対策と若干方向性が異なるため
AIを活用した検索が普及しているから
ユーザーが情報をリサーチする際、従来まで「検索エンジンでキーワードを入力する→気になるサイトを閲覧する」という形が一般的でした。
しかし現在では、ChatGPTやGemini、Claude、Siriといった「AI検索ツールでのリサーチ」が徐々に普及しています。最新の調査によると、消費者向け利用において、メッセージ内容の約73%は仕事以外の用途であり、結果として“非仕事利用が約7割”という報告があります。なお、この数字は一般ユーザーの特定期間のデータに基づくものです。企業利用などを含む“ChatGPT全体の利用割合”を直接示すものではない点に注意してください。
AI検索を実施すると、ユーザーはサイトを閲覧しなくても情報を獲得できます。例えば、検索エンジンで「日本で一番大きい湖」と入力すれば、AIが「琵琶湖」と表示してくれます。もちろん、実際はこうした単純な質問ばかりではありません。しかし、大まかな情報であればAIの回答を参照すれば十分です。
実際にGoogleでは「SGE(Search Generative Experience)」を活用し、検索結果画面に以下のような生成AIによる回答を表示しています。現在の名称は「AI Overview」です。

また、Microsoft社が提供する検索エンジンのBingにも、生成AIで検索できる「Copilot(旧Bing AI)」が搭載されました。

画像出典:Microsoft Bing
このようにAI検索が普及し、ユーザーが即座に答えを知れるようになったことで、自社コンテンツを上位表示させてもクリックされない可能性があります。そのため今後は、SEO対策を行って上位表示させるだけでなく「AIに回答として引用されること」の重要性が高まっているのです。
「ゼロクリック検索」により上位表示だけでは認知されない可能性があるから
上記のAI検索によって、サイトのコンテンツを閲覧せずともユーザーの疑問が解消されるようになり「ゼロクリック検索」という現象が生まれています。検索結果画面のトップに回答が即座に表示されるため、(より詳細にリサーチしたいユーザーを除き)わざわざ上位記事をクリックし閲覧する必要性が減少しているのです。例えば「知らない単語の意味」「翌日の天気」「人物や物の名前」などは、一発で表示されやすい傾向にあります。
世界最大級のSEO分析ツールを提供するAhrefsによると、AI Overviewが登場しゼロクリック検索が増加することで「検索1位サイトのクリック数が34.5%低下する可能性がある」と公表されています。
検索1位のサイトですらクリック数が大幅に低下するため、強調スニペットなどでAIに引用されなければ、そもそも自社が認知すらされないかもしれません。
「AIに引用されやすいコンテンツ作り」はSEO対策と若干方向性が異なるため
このように、今後は「AIに回答として引用されやすいコンテンツ」を作ることが重要です。
こうした引用されやすいコンテンツを作るには、従来のSEO対策とは若干異なる方向性の施策が求められます。
従来のSEO対策では、主に以下のような指標をもとにコンテンツが評価されていました。
ユーザーの求める情報を適切に網羅しているか?
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)があるか?
適切な内部リンクが貼られているか?
コンテンツがスピーディに表示されるか?
etc.
もちろん、後述の「AEO対策の具体的な方法は?AIに引用されやすい回答を作るコツ」で解説しているように、AEO対策において上記の項目がすべて無視されるわけでは決してありません。
しかしAEO対策では、AIに引用されることを見越して「回答をわかりやすく・迅速に・結論ファーストでまとめる」という部分が重視されます。そのため、必要な情報を網羅していても「結論までの導入が長い」「読まないと主張がわかりにくい」といった場合、AIに引用されにくくなるかもしれません。
AEOとSEOの違い
AEOとSEOには以下のように細かい違いがあるため、押さえておいてください。
項目 | AEO | SEO |
|---|
目的 | AIが「ユーザーへ示す回答」として、自社コンテンツを取り上げてもらう | 検索結果画面に上位表示させる |
最終的なユーザーの行動 | 検索画面のトップで回答を参照する(より深くリサーチしたい場合はサイトで詳細を閲覧してもらう) | 自社コンテンツをクリックし閲覧してもらう |
評価されやすいコンテンツの方向性 | AIが回答を読み込みやすい結論ファーストやQ&A方式 | キーワードや情報の網羅性、内部リンクの構成、タイトル・見出しの適切さなど |
評価基準 | 検索画面への引用頻度や音声検索での採用回数など | クリック率や直帰率、滞在時間など |
とくに両者には「検索後のユーザー行動」に大きな違いがあります。
SEOの場合、ユーザーはタイトルを見て「自分が欲しい情報が掲載されているか?」を判断し、コンテンツをクリックします。そのため検索上位に表示されていれば、高い確率で自社サイトへ誘導できました。
一方でAEOの場合、ユーザーが求める回答が一目で明確に表示されます。ユーザーが表示された回答に満足すれば、どのサイトもクリックせず離脱するかもしれません。もし、AIによる回答を見て「もっと詳細を知りたい」「このサイトの回答がよかったので参考にした」などと考えた場合に、コンテンツへ訪問してもらえる可能性が高まります。
AEO対策の具体的な方法は?AIに引用されやすい回答を作るコツ
AEO対策で有効な手段としては、主に以下が挙げられます。
ユーザーの質問を明確化する
コンテンツに「結論ファースト」を組み込む
構造化データを活用しAIへコンテンツを正しく伝える
E-E-A-Tを高める工夫を行う
①ユーザーの質問を明確化する
AEO対策では、ユーザーからの質問へ「明確かつ正確な回答」を提供することが大切です。そのため、まずはユーザーの検索意図を踏まえて適切な質問を考え、それに対して適切な回答を提供できるよう意識してください。
例えば、検索意図が「AEO対策を実施するにあたって取り組むべき内容を知りたい」である場合、質問としては「AEO対策 施策」などが考えられます。この質問に対しては「AEO対策の施策としては、主に〜〜や〜〜などが挙げられます。」といった回答が適切です。
②コンテンツに「結論ファースト」を組み込む
以下のようなコツを押さえ、コンテンツに「ユーザーへ結論ファーストで情報を提供する工夫」を施してください。
文章の冒頭で結論を提示する
「よくある質問」などQ&A形式のコンテンツを導入する
見出しの文言を「〜〜とは?」のような質問形式に変える
箇条書きや表を活用して一目で要点を伝える
最初に要約文を入れて、記事の主張を簡潔にまとめる
専門用語を使わず誰もが理解しやすい言葉を使う
上記のような工夫を行うことで、AIが「どこに質問への回答があるのか?」を見つけやすくなり、高品質なコンテンツと判定されてAIに引用される可能性が高まります。
③構造化データを活用しAIへコンテンツを正しく伝える
「構造化データ」とは、コンテンツ内の情報を正しくAIに読み取ってもらうため、コンテンツの構造を整理したデータのことです。HTMLを活用し「この見出しに◯◯の情報がある」「ここに表が挿入されている」などをまとめることで、情報の場所や関係性などを正しくAIへ共有し読み取ってもらえます。
また、構造化データを記述しておくことで、検索結果のタイトル直下の要約文に住所やサムネイルなどの追加情報が表示されやすく(リッチスニペット)なるため、クリックの可能性を高められるかもしれません。
構造化データを記述する際は「schema.org」の活用がおすすめです。schema.orgは Google、Microsoft、Yahoo! など検索エンジン企業が共同で立ち上げた構造化データの共通仕様で、現在はコミュニティ主導で運営されています。3つの検索サイトに対応した構造化データの仕様を定めているため、主要な検索サイトでコンテンツを読み込んでもらう際に活用できます。
具体的な使い方は、Google公式サイト「Google 検索における構造化データのマークアップの概要」を参照してください。
④E-E-A-Tを高める工夫を行う
AIに引用されるには、わかりやすさに加えて「E-E-A-T」を意識することも重要です。
E-E-A-Tとは、以下4項目をもとにコンテンツの信頼性や権威性などを表した指標のことです。
Experience(経験)
Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trust(信頼性)

上記の項目を満たすことで、AIから「引用されるに値する信頼できるコンテンツ」と判断され、AI検索の回答として引用されやすくなります。
E-E-A-Tを高めるには、具体的に以下のような項目を意識してください。
記事の著者情報を挿入し経歴や実績を明示する
有資格者や大学教授など特定領域の専門家へインタビューする
自社独自のアンケートなどを実施しオリジナリティの高い見解をまとめる
公的機関や大手シンクタンクなど信頼できるソースを積極的に参照する
サイトの運営者情報を明記する

AEO対策を成功させる戦略設計のステップ
AEO対策を実施する際は、以下のステップを意識して戦略を設計してください。
ステップ1:現状分析を行いAIが引用している競合を調べる
ステップ2:AEOに対応した記事テンプレートを整備する
ステップ3:サイトの全体構造を最適化する
ステップ1:現状分析を行いAIが引用している競合を調べる
最初に「AIが現在引用している競合」をリサーチしてください。以下のようなツールの引用状況をチェックすることがおすすめです。
ChatGPT
Gemini
Claude
Perplexity
SGE(AI Overview)
Microsoft Copilot
Google Assistant(音声検索)
「どのような表現でまとめているか?」「どんな内容をまとめているか?」といった観点を意識し、引用されやすいコンテンツの傾向を把握してください。
ステップ2:AEOに対応した記事テンプレートを整備する
引用されやすいコンテンツの内容を意識し、AEOに対応した記事テンプレートを整備してください。基本的に以下の流れでまとめることがおすすめです。
見出しに「想定される質問」を挿入する ↓ 文章の最初に結論を提示する ↓ 結論の根拠をわかりやすく明確にまとめる ↓ 主張の根拠となる公的機関や専門家サイトなどの出典を提示する ↓ 補足情報があればまとめる |
上記に沿ったテンプレートを作成しておくことで、社内の誰もが同じクオリティでコンテンツを作成しやすくなり、サイト全体で引用されやすい記事を蓄積できます。
また、上記で解説したように、本文のクオリティやE-E-A-Tを高めるコツなどもまとめておくことがおすすめです。
本文作成の方向性
文章の冒頭で結論を提示する 「よくある質問」などのQ&A形式のコンテンツを導入する 見出しの文言を「〜〜とは?」のような質問形式に変える 箇条書きや表を活用して一目で要点を伝える 記事の最初に要約文章を入れて記事の主張を簡潔にまとめる 専門用語を使わず誰もが理解しやすい言葉を使う
|
E-E-A-Tの向上のコツ
記事の著者情報を挿入し経歴や実績を明示する 有資格者や大学教授など特定領域の専門家へインタビューする 自社独自のアンケートなどを実施しオリジナリティの高い見解をまとめる 公的機関や大手シンクタンクなど信頼できるソースを積極的に参照する サイトの運営者情報を明記する
|
ステップ3:サイトの全体構造を最適化する
AIに引用されやすくするためには、記事単体のクオリティを高めることはもちろん、サイト全体の構造も整理して「どこにどんなコンテンツがあるのか?」「誰が書いているのか?」などをAIへ示すことが大切です。具体的には以下のようなコツを押さえてください。
メイン記事と関連するサブ記事を内部リンクで紐付けて(トピッククラスター戦略)関連するFAQ記事などをまとめる
各記事の同じ場所にQAコンテンツを挿入し、サイト全体で方向性を統一する
定期的にコンテンツをリライトし情報の鮮度を保つ
構造化マークアップを記述しコンテンツの中身をAIへ共有する
AI検索時代では「SEOとの共存」が大切!
このように、AI検索が浸透している現在では「結論ファーストでまとめる」「構造化マークアップを記述する」などのコツを押さえ、AIに引用されやすいコンテンツを制作することが大切です。
とはいえ、決して「SEO対策を無視してよい」というわけではありません。確かに「AEOとSEOの違い」で解説したように、両者の目的やユーザー行動などには差異があります。しかし両者を対策できれば、双方によい影響を与えることが可能です。
例えば、適切なAEO対策によってAIに引用されやすくなれば「このサイトは回答に表示するコンテンツとして適切である」と検索エンジンから評価されて、SEOの観点でも高評価を得られるかもしれません。
また、SEO検索で上位表示を獲得したコンテンツは、すでに検索エンジンから評価されています。そのため、AIからも「引用に値するコンテンツ」として評価されやすくなるかもしれません。
このように、どちらか一方に切り替えるのではなく、SEO対策とAEO対策を両立し相互で補完することが大切です。