広告代理店とは?基本的な業務と種類を理解しよう
「広告代理店」とは、クライアント企業の広告活動を代理で実施する企業です。「広告を出稿したい企業」と「広告枠を販売したい企業」を仲介するイメージです。具体的な業務としては、例えば以下が挙げられます。
クライアント企業が解決したい課題や目的をヒアリングする
クライアント企業の要望にマッチする広告を企画する
課題や目的にマッチする広告媒体を選定する
出稿クリエイティブを制作する
出稿の成果をチェックして改善する
上記のような業務を行うことで、クライアント企業の認知度・コンバージョン拡大などを実現し、最終的な売上アップを目指します。
広告代理店には、大きく「総合代理店・専門代理店」の2種類があります。それぞれで以下の違いがあるため、依頼を検討する際は参考にしてください。
種類 | 概要 |
総合代理店 | デジタル広告やテレビ、雑誌、Webメディアなど、幅広い種類の広告媒体を扱う代理店です。広告の企画や運用、効果測定などをワンストップで対応できます。クライアント企業の要望に合わせ、複数の広告戦略を組み合わせた提案も可能です。 |
専門代理店 | 特定の広告媒体を専門に取り扱う代理店です。各広告媒体に関する深い専門知識を持っているため、より自社のニーズにマッチする施策を設計してもらえます。 |
広告代理店へ依頼する前に知っておくべきこと
広告代理店への依頼を検討する前に、まずは以下の点を押さえてください。
依頼するメリット・デメリット
費用相場
適切な予算設定のコツ
依頼するメリット・デメリット
広告代理店へ依頼するメリット・デメリットは、それぞれ以下の通りです。場合によっては自社にとって負担となるケースもあるため、必ず事前に確認してください。
【メリット】
広告代理店が持つプロのノウハウを活かして高品質な施策を実行できる
クリエイティブ制作や施策改善などに投下するリソースを削減し、自社のコア業務へ集中できる
「新しい広告フォーマット」「業界のトレンド」などを移り変わりの速い情報をキャッチアップして、最良の施策を設計してくれる
プロの知見を蓄積して将来的な内製化を目指せる
施策の設計や改善を集中して実施できるため、スピーディにPDCAサイクルを回して目標達成に近づける
【デメリット】
各社で得意領域が異なるため、課題や目的にマッチしない広告代理店を選ぶと理想の成果を出しにくい
初期費用や運用手数料などのコストがかかる
自社の課題や商材の特徴、競合との差別化ポイントなどを入念に擦り合わせないと、認識に齟齬が生まれて理想の施策を設計できない
担当者の運用経験が浅かったりコミュニケーションが取りにくかったりすると、スムーズに施策を実行できず成果を出しにくい
上記のようなデメリットをできるだけ回避して高い成果を出すコツは、「広告代理店への依頼後に運用の成功確率を高めるコツ」の章をご確認ください。
費用相場
広告代理店へ依頼する際の料金体系は、以下のいずれかが一般的です。
運用手数料を支払う
一律の固定報酬を支払う
成果報酬型で支払う
上記の中では「運用手数料を支払う形式」が一般的であり、相場は広告出稿費の20%程度です。例えば広告費300万円を運用する場合、広告代理店には「広告費300万+手数料60万=360万」を支払うとイメージしてください。ただし、広告出稿費が高すぎると代理店への支払いも膨らむため、一定額を超えたら手数料の割合を下げるケースがあります。
代理店によっては「最低広告出稿金額」を設定しています。目安は「100万円」ですが、詳細は代理店によって異なるため、予算を超えないよう事前に確認してください。
固定報酬については「広告費が一定額以下の場合は一律」と設定している代理店が一般的です。
その他、以下のような費用が発生するケースもあるため、具体的な内訳は必ず代理店へ確認してください。
初期費用
クリエイティブの制作費
レポート費用
コンサルティング費用
適切な予算設定のコツ
予算を設定する際は、主に以下のようなポイントを押さえることが大切です。
予算に余裕を持たせて設定する
費用対効果を検証する
余裕を持って予算を設定することで、「急に新規施策が必要になる」「施策の優先度が途中で入れ替わる」といったイレギュラーにも対応できます。
また、定期的に費用対効果を検証し「予算に対してどの程度の成果を出せたのか?」を把握しておけば、各施策への予算配分を適宜調節可能です。
上記を含めた予算設定の具体的なコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:適切なマーケティング予算はどれくらい?決め方や注意点を解説
自社に最適な代理店を見つけるための6つの選定基準
自社に最適な代理店を見つけるには、以下6つの選定基準を意識してください。
自社の業界や事業規模などに対応できる専門性を持っているか?
提案力や戦略設計能力を持っているか?
どのような運用・サポート体制を整備しているか?
担当者の質は高いか?
成果へどのくらいコミットしてくれるか?
最新トレンドを追えているか?
自社の業界や事業規模などに対応できる専門性を持っているか?
得意としている業界や領域は、広告代理店ごとで異なります。そのため、理想の成果を出してもらうには、自社の業界や領域に関して豊富な実績を持つ広告代理店へ依頼することが大切です。同じ業界や領域での実績が豊富であれば、以下のような事情を踏まえて最適な施策を設計できます。
どのようなクリエイティブがターゲットに刺さるのか?
ユーザーが抱えるニーズは?
競合他社ではどのような広告が主流なのか?
代理店の公式サイトに過去実績が掲載されているケースが多いため、選ぶ際の参考にしてください。
とくに中小企業の場合、企業規模的に広告へ投下できる人員やコストは限られてしまいます。そのため、「コア業務へのリソースを減らさずに成果を出したい」「自社のクリエイティブも活用しつつコストを抑えたい」といった中小企業ならではの事情を汲み取り、最大限効果を出せる代理店を選ぶことも重要です。
提案力や戦略設計能力を持っているか?
広告運用で自社が定める目標を達成するには、代理店が「適切な提案や戦略を設計できる能力」を持っていることが必須です。そのため、以下のようなポイントを踏まえ、代理店の提案力・戦略設計能力を見極めてください。
自社の課題や目的、商材の強みなどを深くヒアリングしたうえで戦略を提案できているか?
自社のリソースや予算を踏まえて現実的な提案を設計できているか?
SWOT分析や4P・4C分析などを駆使して集めたデータを入念に分析し、施策を設計しているか?
目標達成までのKPIを数値で具体的に設定しているか?
成果を出す根拠やプロセスを論理的に説明できるか?
ターゲットを意識して高品質なクリエイティブを設計できるか?
上記のようなポイントを満たす広告代理店であれば、自社のニーズにマッチした的確な提案・戦略を設計してくれると期待できます。
担当者の質は高いか?
広告代理店では、専任担当者が就いて目標達成までサポートすることが一般的です。そのため、自社のゴールを達成できるかは、担当者の力量に大きく左右されます。
スムーズに運用を進めて理想の成果を出せるよう、以下のようなポイントを踏まえて、担当者の質をチェックしてください。
自社の事業について深く理解しているか?
自社の課題や要望を丁寧にヒアリングし、現状を正しく理解しているか?
難しい専門用語をなるべく使わず、わかりやすく説明してくれるか?
質問した際に丁寧かつ素早くレスポンスを返してくれるか?
イレギュラーやトラブルが発生した際に慌てず的確に対処してくれそうか?
施策の課題や改善点を抜け漏れなく共有してくれるか?
見積もりを出す際に、内訳や必要性などを丁寧に説明してくれるか?
商談や相見積もりの段階で担当者とやり取りできるため、担当者の誠実さやコミュニケーションの取り方などをチェックし判断してください。
どのような運用・サポート体制を整備しているか?
広告の運用体制やサポート内容は、以下のように代理店ごとで異なります。
プロジェクトの開始〜終了まで継続的に伴走支援してくれる
現場に常駐してマーケティング業務全般をサポートしてくれる
各業界で長年の経験を持つ専門家が自社の現場でサポートしてくれる
担当者が「どのような現場で・どのレベルまでサポートしてくれるか?」は異なるため、自社の課題やニーズと照らし合わせ、マッチする運用体制を整えている代理店を選んでください。例えば「専門性が高い業界のため現場に深く入り込んでサポートしてほしい」という場合は、常駐型の広告代理店を選ぶことがおすすめです。
また、問い合わせへスピーディに対応できる代理店を選ぶことも大切です。疑問点へ速やかに回答してくれる代理店なら、不安点を適宜解消しつつスムーズに施策を進められます。
「どのくらいの頻度で・どんなレポートでまとめてくれるか?」という点もチェックしてください。可能であればレポートのサンプルをチェックし、どこまで深く分析したうえで報告してくれるかを把握しておくと、運用開始後のミスマッチを防げます。
成果へどのくらいコミットしてくれるか?
施策で理想の成果を出すには、代理店の担当者が熱量を持って作業を行うことが必須です。具体的には、以下のようなアクションを起こす担当者であれば、成果へコミットしてくれると期待できます。
自社や競合、市場をじっくり分析してくれる
商材や業界の慣習、サービスの強み・特徴などを徹底的に理解しようとしている
ターゲットを入念に深掘りしたうえで施策を設計してくれる
KPIの達成に必要なアクションはすべて取り組んでくれる
業界のトレンドに気を配り適宜施策へ反映してくれる
疑問点や不安点を共有した際に、素早く返答して安心させてくれる
とくに「目標未達の際の改善姿勢」は要チェックです。広告運用では必ずしも一度目の施策で理想の成果を出せるとは限りません。もし未達だった場合に、スピーディに原因を突き止めて次回以降の改善案を設計してくれる代理店であれば、成果のコミット具合は高いといえます。
最新トレンドを追えているか?
インターネット広告の手法やアルゴリズムなどは随時アップデートが実行されているため、機能や種類は目まぐるしく変動しています。そうした移り変わりが激しい中で施策を成功させるには、最新情報をキャッチアップし、適宜反映させながら運用する意識が必要です。
最新情報を追っている代理店であれば、自社にマッチしそうな機能やトレンドなどを施策へ反映できるため、より目標達成の可能性を高められます。
業界・事業規模別の代理店選びのポイント
続いて、業界・事業規模別に代理店選びのポイントを解説します。代表的な以下4パターンについて解説しているため、当てはまる企業は参考にしてください。
BtoB企業の場合
BtoC企業の場合
中小企業の場合
スタートアップの場合
なお、上記で解説した「提案力や戦略設計能力の有無」「担当者の質」といった、どの企業にも当てはまる内容は省略しています。
BtoB企業の場合
BtoB企業の場合は、代理店を選ぶ際に以下のポイントを意識してください。
長期的なリードナーチャリングを意識して運用できるか?
専門性の高い業界知識をコンテンツ制作に反映できるか?
BtoB企業の商材の多くは高単価であるため、購入が即決されることはあまりありません。競合サービスとの比較検討や相見積もり、コンペ、決裁者による確認といった数多くのプロセスを通るため、購入決定までに数ヶ月〜数年単位の時間を費やすこともあります。そのため、長期間のプロセスを踏まえた施策を設計できる広告代理店がおすすめです。意思決定のフェーズに合わせた施策を設計し、各プロセスにおける顧客のニーズを適切に満たせれば、最終的な成果を達成しやすくなります。
また、BtoB企業の商材はSaaS製品やコンサルティングのように、高い専門知識が求められるサービスが一般的です。決裁者のように高いポジションの人物へアプローチする必要もあるため、商材を深く理解しプロに響く施策を設計できることが理想です。
BtoC企業の場合
BtoC企業の場合は、代理店を選ぶ際に以下のポイントを意識してください。
消費者に個別で刺さる施策を設計できるか?
世間のトレンドへ柔軟に対応できるか?
BtoCは、BtoBと異なり決裁者が個人であるため、サービス購入までにそれほど時間はかかりません。個人のニーズに刺されば即決で購入してもらいやすいため、消費者個人の心理を深く理解し、デザインやコピーなどを柔軟に設計できることが理想です。
また、個人の消費者はSNSのトレンドやインフルエンサーなどの影響を受けやすい傾向にあります。こうしたトレンドは日々変化しているため、ターゲットの間で流行っているトレンドを把握し施策へ反映できることが理想です。
中小企業の場合
中小企業の場合は、代理店を選ぶ際に以下のポイントを意識してください。
限られたリソースで最大限に成果を出せるか?
自社の要望に合わせて柔軟に対応できるか?
中小企業は人員や予算、設備といったリソースが限られるため、実行できる施策は限られてしまいます。そうした状況下でも、リソースをフル活用して最大限成果を出せる広告代理店であれば安心です。
また、以下のように自社の要望へ柔軟に対応できる代理店であれば、よりスムーズに運用できます。
予算が限られるので少額運用に対応してほしい
スモールスタートで導入し、様子を見ながら少しずつ適用範囲
自社のニーズに合わせてサポートを柔軟に使い分けたい
スタートアップの場合
スタートアップの場合は、代理店を選ぶ際に以下のポイントを意識してください。
スピード感を持って対応してくれるか?
自社の成長フェーズに応じて戦略を柔軟に調整できるか?
スタートアップが成長するには、スピーディに事業規模を拡大し売上を伸ばすことが必要です。広告施策もスピード感を持って運用する必要があるため、レスポンスを含めて素早く対応できる代理店を選んでください。
また、自社のフェーズを理解している広告代理店であれば、予算決めやターゲティング設定などで細やかに気を配ってくれます。例えば「資金が少ないフェーズの中で見込み顧客へ効率的にリーチするには◯◯という広告手法がマッチしている」というイメージで、フェーズに合わせた提案を行ってくれます。
広告代理店への依頼後に運用の成功確率を高めるコツ
実際に代理店へ依頼したら、運用の成功確率を高めるために以下のコツを押さえてください。
効果的なコミュニケーションを実施する
成果を最大化できるよう積極的に代理店へ協力する
効果的なコミュニケーションを実施する
自社が目指す成果を出すには、適切なコミュニケーションを実施し、広告代理店へ積極的に情報提供する意識が大切です。例えば、以下のような情報を適宜共有してください。
次回の施策に向けた改善要望
広告運用で使うクリエイティブへの要望
施策で押し出してほしい自社の強みや差別化ポイント
目標への認識のすり合わせ
上記以外にも、自社が気になるポイントや施策の運用に役立ちそうな情報があれば、積極的に共有してください。
効果的なコミュニケーションを実現するためにも、定期ミーティングの場を設けて、要望やフィードバック、感想などを適宜共有してください。「何が想像と異なっていたか?」「今後どうしてほしいか?」などを具体的に伝えることで、代理店側は今後の改善策やアクションの方針などを明確に定められます。
また、代理店へ情報共有する際は、必要な情報を適宜取りまとめてください。必要な情報を抜け漏れなく社内で集約しておけば、要望をまとめて効率的に伝えられます。情報共有を効率化するには、以下のようなルールを定めることがおすすめです。
どのような項目をまとめておくか?
どのツールやフォルダにまとめておくか?
誰が情報を一括管理するのか?
成果を最大化できるよう積極的に代理店へ協力する
広告代理店はプロであるため、ある程度は施策設計や運用などを一任できます。とはいえ、完全に丸投げすると代理店が必要な情報を活用できず、理想通りの成果を出せないかもしれません。
施策を成功させるためにも、すべてを丸投げするのではなく、以下のようなイメージで自社も積極的に協力してください。
自社サービスや商材に関する情報を適宜提供する
商材カタログやホワイトペーパーなどの資料を共有する
施策で使ってほしい素材を提供する
社内で活用できるリソースを提供する
代理店から質問や情報共有の依頼などがあった際にスピーディーに対応する
積極的に協力することで広告代理店もスムーズに運用できるようになり、結果的に自社が目指す目標を達成しやすくなります。











