WBSとは?作り方を5ステップで解説|ガントチャートとの違いも解説

Cozies編集部

WBS

What you'll learn in this article

この記事でわかること

  • WBSの意味と、プロジェクトで必要とされる理由がわかる

  • WBSで整理できることと、実務での使いどころがわかる

  • WBSを作るときの基本ステップがわかる

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  • WBSで整理できることと、実務での使いどころがわかる

  • WBSを作るときの基本ステップがわかる

WBSとは、プロジェクトで必要な作業を階層的に分解し、成果物に向かう全体像を整理するための考え方です。プロジェクトを進めるとき、「やることは頭の中にあるのに、進めてみると抜け漏れが出る」「担当の境界が曖昧で、途中から認識ズレが起きる」と感じたことはないでしょうか。

 

こうした問題は、メンバーの能力だけで起きるものではありません。多くの場合は、仕事の全体像が整理される前に、スケジュールや担当割りを急いでしまうことが原因です。その手前で役立つのが、WBS(Work Breakdown Structure)という考え方です。

 

本記事では、WBSとは何か、何に役立つのか、どう作れば使いやすくなるのかを、実務に置き換えながら整理していきます。

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目次

WBSとは?


WBSとは、プロジェクトで必要な作業を階層的に分解し、成果物に向かう全体像を整理するための考え方です。日本語では「作業分解構成図」と説明されることもありますが、まずは「ゴールに向かうために、やることを見える化する枠組み」と捉えると理解しやすくなります。


たとえば「記事を公開する」というゴールがあるなら、企画、リサーチ、構成案、執筆、編集、画像作成、入稿、公開確認といった大きな作業に分けられます。さらにそこから、「見出し作成」「導入文執筆」「校正」「アイキャッチ確認」のように、実行しやすい単位へ分解していきます。


大切なのは、単なるToDoの羅列にしないことです。WBSは「何の成果物を作るために、その作業が必要なのか」を整理するためのものです。だからこそ、やることの抜け漏れを減らし、チームで同じ地図を見ながら進めやすくなります。


WBSとは?


なぜプロジェクトで必要なのか


プロジェクトでは、最初の段階ほど「何をやるか」がふわっとしていることがあります。その状態でスケジュールだけ先に決めると、途中で「この確認が抜けていた」「思ったより作業が多い」「誰が持つか決まっていなかった」というズレが起きやすくなります。


WBSを先につくることで、必要な作業とその関係性を整理したうえで、担当や順番を決められます。つまり、WBSは管理のための管理ではなく、手戻りを減らし、実務を前に進めるための設計だと言えます。


WBSとガントチャートの違い


WBSとガントチャートは混同されがちですが、役割は同じではありません。違いを一言で言うなら、WBSは「何をやるか」の整理、ガントチャートは「いつやるか」の整理です。


WBSの役割は、成果物に必要な作業を洗い出し、構造化することです。ここで抜け漏れや曖昧さを減らしておくと、その後の会話がかなり進めやすくなります。


一方で、ガントチャートは、作業の順序や期間、進捗を時間軸で見える化するものです。WBSで整理された作業をもとに作ると、予定の現実味が出やすくなります。


観点

WBS

ガントチャート

主な役割

必要な作業を分解し、全体像を整理する

作業の期間・順番・進捗を見える化する

整理したいこと

何をやるか

いつやるか

向いている場面

計画の初期設計、抜け漏れ確認

進行管理、日程調整、遅延把握

考える順番


先にWBSで作業を整理しておくと、ガントチャートに落とし込んだときの精度が上がりやすくなります。逆に、作業が曖昧なままガントチャートだけ作ると、見た目は整っていても、実務が回りにくくなることがあります。 


WBSとガントチャートの違い



WBSでできること


WBSの価値は、単に「仕事を細かくする」ことではありません。曖昧だった仕事を、チームで扱える形に変えるところにあります。


作業の抜け漏れを減らせる


プロジェクトの抜け漏れは、能力不足よりも、見えていない作業があることから起こりがちです。WBSで全体を分解しておくと、「まだ整理できていない工程」や「後回しになっている確認」が見つけやすくなります。


特に、複数人が関わる案件では、暗黙知に頼らないことが重要です。WBSがあると、「誰かが分かっている前提」ではなく、「全員が見えている前提」で進めやすくなります。


担当範囲を明確にしやすい


担当を決めにくいとき、多くは仕事の単位が大きすぎることが原因です。たとえば「執筆を担当」と言われても、どこからどこまでが含まれるのかは人によって解釈が分かれます。


一方、WBSで「見出し作成」「本文初稿」「事例確認」「校正対応」まで分かれていれば、どこを誰が持つかを話しやすくなります。責任の押し付け合いを防ぐというより、最初から認識ズレを起こしにくい状態をつくれるのが利点です。


スケジュール作成の前準備になる


ガントチャートなどでスケジュールを引く前に、そもそも「何をやるか」が見えていないと、日程だけが整っていても実行しづらくなります。


WBSは、スケジュール作成の前段で必要な設計です。何をやるかが整理されているからこそ、いつやるか、どの順番でやるかを決めやすくなります。順番としては、WBSで作業を整理し、そのあとでガントチャートに落とし込むほうが自然です。



WBSの作り方【5ステップ】


WBSは、複雑な手順を覚えないと作れないものではありません。基本は「ゴールから逆算して、実行しやすい単位まで分ける」ことです。ここでは、初学者でも使いやすい5ステップに絞って整理します。 


WBSの作り方【5ステップ】


1. ゴール・成果物を決める


最初に明確にしたいのは、「このプロジェクトで何を完成形とするか」です。ここが曖昧なまま分解を始めると、必要な作業もぶれやすくなります。


たとえば記事制作なら、ゴールは「記事を公開すること」かもしれません。ただ、もう少し具体的に「公開可能な本文・画像・入稿状態まで整える」と定義した方が、必要作業を洗い出しやすくなります。


2. 大きな作業単位に分ける


次に、ゴールに必要な大きな工程を洗い出します。ここでは細かくしすぎず、「企画」「制作」「確認」「公開準備」のようなまとまりで考えると整理しやすいです。


この段階では、抜け漏れなく全体を見ることを優先します。順番が多少前後していても構いません。まずは「必要そうな塊」を見える化するイメージです。


3. さらに実行可能なタスクまで分解する


大きな工程が見えたら、そこから実際に手を動かせる単位まで分けていきます。ここがWBSの中心です。


たとえば「執筆」というまとまりだけでは、まだ作業が大きすぎます。そこから「導入文執筆」「H2本文執筆」「事例パート作成」「FAQ整備」のように分けると、何が残っているかを把握しやすくなります。


迷ったときの目安は、「これなら今すぐ着手できるか」です。着手イメージが湧かないなら、まだ作業単位が大きい可能性があります。


4. 担当・順番・依存関係を確認する


タスクが並んだら、それぞれの前後関係を見ます。何を先にやらないと、次に進めないのか。並行できる作業は何か。ここが整理されると、スケジュール化しやすくなります。


この段階で担当者もざっくり当てると、現実的な進め方が見えやすくなります。WBSそのものは「何をやるか」の整理ですが、誰がやるか、どの順番かまで軽く確認しておくと、絵に描いた餅になりにくくなります。


5. 見直して粒度をそろえる


最後に見ておきたいのが、分解の粒度です。ある項目は細かいのに、別の項目は大ざっぱ、という状態だと管理しにくくなります。


理想は、「同じレベルの項目どうしが、だいたい同じ細かさ」で並んでいることです。完璧にそろえる必要はありませんが、明らかに大きすぎるもの・細かすぎるものがあれば調整すると、あとから使いやすくなります。


WBSの簡単な分解イメージ


記事制作を例にすると、WBSは次のように考えられます。


WBSの簡単な分解イメージ


WBSは上図のように「成果物」を起点として、企画・制作・確認・公開準備といった大きな工程へ分け、さらに実際に手を動かすタスクまで階層的に分解していきます。


このように整理することで、「本文を書く」といった目立つ作業だけでなく、その前後に必要なリサーチや確認、公開後のチェックまで含めて、プロジェクト全体を見渡せるようになります。


WBSの目的は、作業を細かくすることではありません。見えていなかった仕事を可視化し、抜け漏れや認識のズレを防ぎ、チーム全体で同じ全体像を共有することにあります。



WBS作成でよくある失敗


WBSは便利ですが、作れば自動的にうまくいくわけではありません。機能しにくくなる典型パターンを先に知っておくと、実務での使いやすさが変わります。


細かすぎる/粗すぎる


WBSは細かければ良いわけでも、ざっくりしていれば良いわけでもありません。細かすぎると更新が大変になり、粗すぎると管理の意味が薄れます。


目安としては、「1つの項目を見たときに、担当者が何をすればよいか分かる」くらいの粒度が実務では使いやすいことが多いです。


成果物ではなく作業だけで見てしまう


「会議する」「確認する」「対応する」といった動詞だけで並べると、何のための作業なのかが見えにくくなることがあります。成果物や到達点を意識して整理した方が、WBSは使いやすくなります。


たとえば「公開準備」というまとまりの中に「アイキャッチ確認」「URL確認」「CMS入稿」があるように、作業の背景にある成果物を意識すると、抜け漏れが減りやすくなります。


作って終わりになる


WBSは、最初に一度作って終わりではありません。プロジェクトが進む中で、新しい作業が見えたり、不要な工程が分かったりすることもあります。


そのため、進行しながら軽く見直す前提で使う方が実用的です。最初から完璧な地図を作るというより、使いながら精度を上げるイメージの方が現実に合っています。


WBSをうまく活用するコツ


WBSを実務で機能させるには、「作ること」よりも「使える形にすること」が重要です。最後に、運用しやすくするためのコツを3つ整理します。


1. 最初から完璧を目指しすぎない


初回のWBSで全部を完璧に整理しようとすると、かえって手が止まりやすくなります。まずは大枠を出し、実務の中で修正しながら整える方が前に進みやすいです。


2. チームで見て、認識を合わせる


一人で作ったWBSは、その人にとっては分かりやすくても、他のメンバーには伝わりにくいことがあります。共有してフィードバックをもらうことで、抜けやズレに気づきやすくなります。


3. スケジュールやツールとつなげる


WBSは単体でも役立ちますが、ガントチャートやタスク管理ツールとつなぐと、実行しやすさが上がります。分解した作業を、そのまま進行管理に使える形へつなげることが大切です。

まとめ

WBSは、進行管理の前に全体像を整えるための土台


WBSは、プロジェクトを前に進めるための「作業の見取り図」です。必要な成果物や作業を分解し、関係性を整理し、抜け漏れや認識ズレを減らす。その土台があるからこそ、担当分担もしやすくなり、スケジュールにも落とし込みやすくなります。


もし今、案件が始まるたびに進行管理が属人的になったり、途中からタスクが増えて混乱したりしているなら、まずは完璧な管理表を作るよりも、WBSで仕事を分解するところから始めてみるのがおすすめです。

この記事を書いた人

Cozies編集部

株式会社Coziesの編集部です。2020年の事業開始以来、ウェブマーケティング全般、インターネット広告、マーケティングリサーチの分析・研究を行っています。近年はAIエージェントの活用や業務自動化など、AI×マーケティング領域における実績と知見をもとに最新で有意義な情報をお届けいたします。

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よくある質問

WBSとは何ですか?

WBSとは、プロジェクトに必要な作業を階層的に分解し、全体像を整理するための考え方です。大きな仕事をそのまま抱えるのではなく、着手しやすい単位まで落とし込むことで、抜け漏れや認識ズレを防ぎやすくなります。目的は単に細かく分けることではなく、チームで話せる・任せられる・見直せる状態に変えることです。


詳しくは、「WBSとは?」の章をご覧ください。

WBSの作り方は?

WBSは、ゴールや成果物を決めてから、大きな工程を洗い出し、さらに実行可能なタスクまで分解して作ります。大切なのは、最初から細かくしすぎることではなく、全体像と粒度のバランスを見ながら整理することです。最後に担当や順番、依存関係まで確認すると、そのまま進行管理へつなげやすくなります。最初から完成版を作ろうとするより、たたき台を作って見直す方が、実務では機能しやすくなります。


詳しくは、「WBSの作り方【5ステップ】」の章をご覧ください。

WBSとガントチャートの違いは何ですか?

WBSとガントチャートの違いは、WBSが「何をやるか」を整理し、ガントチャートが「いつやるか」を整理する点です。先にWBSで必要な作業を見える化しておくと、そのあとに日程や順番へ落とし込みやすくなります。両者はどちらか一方を選ぶものではなく、WBSで設計してからガントチャートで運用する、と順番に使うと補完関係になります。


詳しくは、「WBSとガントチャートの違い」の章をご覧ください。

WBSはどこまで細かく分ければいいですか?

WBSは、「担当者が見たときに、次に何をするかイメージできる」くらいまで細かく分けるのが目安です。細かすぎると更新や管理の手間が増え、粗すぎると抜け漏れを防ぎにくくなります。反対に、1項目が曖昧すぎると担当や期限の話がぼやけ、進行中に認識ズレが起きやすくなります。迷ったときは、その項目を見てすぐ着手できるか、他の項目と比べて粒度がそろっているかを確認すると整えやすくなります。


詳しくは、「5. 見直して粒度をそろえる」の章をご覧ください。

WBSの具体例はありますか?

WBSの具体例としては、たとえば記事制作を「企画」「制作」「確認」「公開準備」に分け、その下に「キーワード確認」「本文執筆」「表記チェック」「入稿」といった作業を置くイメージがあります。ポイントは、単なる作業一覧ではなく、成果物に向かう流れが見える形で整理することです。こうすると、どこまで進んでいて、どこに抜けがあるかを把握しやすくなります。記事制作以外でも、採用、イベント準備、システム導入など、複数工程のある仕事なら同じ考え方で応用できます。


詳しくは、「WBSの簡単な分解イメージ」の章をご覧ください。

WBSは誰が作るものですか?

WBSは、案件全体を把握している担当者やプロジェクトを前に進める役割の人がたたき台を作ることが多いです。ただし、実際に手を動かすメンバーと一緒に見直した方が、抜け漏れや認識ズレを防ぎやすくなります。最初は一人で整理しても問題ありませんが、共有してフィードバックを受けながら調整する方が、現場で使えるWBSになりやすいです。現場を知る人の視点が入るほど、机上の空論になりにくい点も重要です。


詳しくは、「2. チームで見て、認識を合わせる」の章をご覧ください。

WBSを作るタイミングはいつですか?

WBSを作るタイミングは、スケジュールや担当割りを具体化する前が基本です。先に全体像を整理しておくと、「何をやるか」が明確になるため、その後の順番決めや日程設計が現実的になります。逆に、作業が曖昧なままスケジュールだけを先に引くと、途中で追加タスクや認識ズレが起きやすくなります。着手後に新しい作業が見えてくることも多いため、最初は固めすぎず、進行に合わせて更新できる前提で作るのが実務的です。


詳しくは、「スケジュール作成の前準備になる」の章をご覧ください。

WBSは小さな案件でも必要ですか?

WBSは小さな案件でも役立ちます。むしろ少人数や短期間の案件ほど、一人が複数の役割を兼ねることが多く、頭の中だけで進めると抜け漏れが起きやすくなります。短い案件でも、やることを一度見える化しておくことで、確認不足や手戻りを減らしやすくなります。口頭だけで済ませがちな小規模案件ほど、軽くでも分解しておく価値があります。大規模プロジェクト専用の手法ではなく、複数工程がある仕事全般で使える考え方です。


詳しくは、「作業の抜け漏れを減らせる」の章をご覧ください。

WBSとタスクリストの違いは何ですか?

WBSとタスクリストの違いは、WBSが「何のために、その作業が必要か」という構造まで整理するのに対し、タスクリストは「やることの一覧」になりやすい点です。タスクリストは実行管理に向いていますが、全体像や関係性までは見えにくいことがあります。WBSを先に作ると、あとからタスク化するときも抜け漏れの少ない形にしやすくなります。


詳しくは、「WBSとは?」の章をご覧ください。

WBSを作ったあとは何をすればいいですか?

WBSを作ったあとは、担当者・順番・依存関係を確認し、必要に応じてガントチャートやタスク管理ツールへ落とし込むのが基本です。WBSは作って終わりではなく、進行管理につなげて初めて価値が出ます。プロジェクトが動き始めたら、実務に合わせて見直しながら使うことで、計画と現場のズレも小さくしやすくなります。そのまま放置すると、設計しただけで運用に乗らない状態になりやすいため、更新前提で扱うことが大切です。


詳しくは、「3. スケジュールやツールとつなげる」の章をご覧ください。

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