AIによる概要(AI Overviews)に広告は出る?
結論から言うと、AIによる概要にも広告が表示されることがあります。 Googleは、AIによる概要の上部・下部に広告を表示する仕組みを案内しており、一部の地域では概要の中にも広告が表示されます。
ポイントは、「AIによる概要」と「広告」は別々ではなく、つながった体験になっているということです。
ユーザーはまずAIによる概要で情報を把握し、その後、広告や通常の検索結果、企業のWebサイトへ進むことがあります。
そのため、検索結果の見え方が変わった今、企業も「ユーザーをどのように自社サイトへ導くか」という導線設計を見直すことが重要になっています。

AIによる概要(AI Overviews)とは?
AIによる概要(AI Overviews)は、Googleが複数の情報源をもとに要点をまとめ、検索結果の上部に表示するAI生成の回答です。ユーザーにとっては、検索してすぐに全体像をつかみやすいのが大きな特徴です。
たとえば「○○とは」「○○のやり方」「○○ 比較」といった検索では、これまでなら複数の記事を読み比べていた内容が、AIによる概要で先に整理される場合があります。その結果、検索行動は「まず記事を1本クリックする」から、「まず要点を読み、そのあと必要な情報だけ深掘りする」へ変わりやすくなっています。
広告はどこに表示される?
AIによる概要周辺の広告表示は大きく3つです。
AIによる概要の上部に表示される
AIによる概要の下部に表示される
AIによる概要の内部に表示される(一部地域・条件のみ)
上部・下部の広告は、AIによる概要が利用できる200以上の地域で表示対象です。Google公式では、既存の検索キャンペーン、ショッピングキャンペーン、P-MAXキャンペーン、アプリキャンペーンのテキスト広告・ショッピング広告・ローカル広告・アプリ広告が、AIによる概要の上部・下部に表示されうると案内されています。
一方、AIによる概要の内部に表示される広告は別扱いです。2026年9月時点では英語環境の一部地域でのみ提供されており、日本は対象外です。つまり、日本で現時点でまず見るべきなのは「AIによる概要の周辺で検索結果の見え方がどう変わっているか」であり、本文内広告の実装だけを前提に考えすぎないことが重要です。
また、今後の提供地域や仕様は変わる可能性があります。断定的に捉えすぎず、最新情報は Google広告ヘルプ|広告とAIによる概要について を継続的に確認する前提が安全です。
何が変わる?
AIによる概要と広告の関係を考えるときは、「広告が新しい場所に出るようになった」という表面的な話だけで終わらせないことが大切です。実際に変わるのは、自然検索・広告・自社サイト流入のつながり方です。
自然検索はどう変わる?
AIによる概要が表示されることで、ユーザーは検索結果の上部で要点を把握しやすくなります。すると、従来のように「まず上位記事を順番に開く」行動は減りやすくなります。
特に、定義確認や基礎理解が目的の検索では、AIによる概要だけで疑問がある程度解消されることもあります。そうなると、自然検索結果へのクリックは相対的に減る可能性があります。
ただし、これは「SEOが不要になる」という意味ではありません。むしろ、AIによる概要で関心を持ったユーザーが、その後に比較検討や詳細確認のためにアクセスしたくなる記事を用意できるかが、これまで以上に重要になります。
広告の役割はどう変わる?
AIによる概要(AI Overviews)が登場すると、広告の役割はより「次の一歩を後押しする接点」として見えやすくなります。
たとえばユーザーがAIによる概要で全体像を理解したあと、「では、どの会社に相談するか」「どの商品を比較するか」と考えた段階で広告が表示されれば、そこから行動につながる可能性があります。つまり、広告は単に認知を取るだけでなく、理解が進んだユーザーの比較検討や行動を後押しする場面で強みを持ちやすくなります。
一方で、AIによる概要の直後に表示される以上、広告文や訴求もこれまで以上に厳しく見られます。ユーザーはすでに要点を把握している可能性があるため、「誰向けで、何を解決するのか」が一目で伝わらない広告は選ばれにくくなるでしょう。
自社サイト流入はどう見る?
今後は、自社サイトへの流入を「どこから来たか」だけでなく、「検討プロセスのどの段階で来たか」という視点でも見ることが重要になります。
たとえば、AIによる概要(AI Overviews)で初めて企業を知る人もいれば、概要で全体像をつかんだあと、詳しく比較するためにオーガニック検索結果へ進む人もいます。さらに、購入や問い合わせを決める段階で広告からLPへアクセスする人もいるでしょう。
このように、AIによる概要・オーガニック検索・広告は、それぞれ異なる役割を担っています。
そのため、流入チャネルを個別に分析するだけでは十分ではありません。「AIによる概要は認知」「オーガニック検索は比較・検討」「広告は意思決定」といったように、ユーザーの検討プロセスのどこを担っているのかまで含めて考えることで、施策の優先順位を判断しやすくなります。
役割分担をどう考える?
AIによる概要の影響を整理するときは、「どの接点がどのフェーズを担うか」をざっくり分けて考えると全体像をつかみやすくなります。

AIによる概要は「まず知る・全体像をつかむ」ための接点、SEOは「詳しく調べる・比較する」ための接点、広告は「行動を決める」ための接点です。ユーザーはこの3つを行き来しながら意思決定するため、別々に見るよりも、ひとつの流れとして捉えるほうが整理しやすくなります。
次の章から、AI概要・SEO・広告のそれぞれの役割を詳しく見ていきます。
AI概要は認知と論点整理
AIによる概要は、認知拡大や論点整理の入口として機能しやすい接点です。ユーザーの頭の中でまだ整理されていないテーマを、短時間で俯瞰できるのが強みです。
企業にとっては、自社コンテンツがAIによる概要の参照候補として扱われることが、認知機会につながる可能性があります。すぐにコンバージョンへつながらなくても、「このテーマならこの会社の情報が信頼できそうだ」という印象をつくる接点として意味があります。
SEOは比較検討と信頼形成
SEO記事や自社メディアは、ユーザーが詳細を知りたいときに応える場です。AIによる概要では拾いきれない背景、具体例、比較軸、注意点まで丁寧に説明することで、比較検討フェーズの信頼形成を担えます。
特にBtoBや高関与商材では、ユーザーは「概要がわかった」だけでは動きません。自社の記事やホワイトペーパー、FAQ、導入事例などを通じて、「この会社は実務までわかっている」と感じてもらえるかが重要です。
広告は行動の後押し
広告は、ユーザーの行動を後押しする接点です。問い合わせ、資料請求、サービス比較、商品購入といった具体的なアクションに近いフェーズで特に力を発揮します。
そのため、AIによる概要時代の広告は「目立つこと」だけではなく、「理解が進んだユーザーに、次の一歩を渡せること」がより重要になります。LPや導線設計まで含めて、広告をコンバージョンの最終接点として整える視点が欠かせません。
施策をどう見直す?
役割分担が見えてきたら、次は施策設計を見直します。ポイントは、AIによる概要に合わせて何か1つだけ最適化するのではなく、全体のつながりを整えることです。
コンテンツ設計を見直す
まず見直したいのは、自社メディアやオウンドコンテンツの内容です。AIによる概要に参照されやすいか、比較検討フェーズで読まれやすいか、という2つの視点で棚卸しすると整理しやすくなります。
たとえば、以下のような点は優先的に確認したいポイントです。
記事の冒頭で結論を簡潔に示せているか
定義や手順、比較軸が箇条書きで整理されているか
一次情報や公式情報への言及があるか
詳細を知りたい読者に向けて、次の導線が用意されているか
AIによる概要の時代は、「長いだけの記事」よりも、「最初に要点がわかり、深掘りもできる記事」のほうが価値を持ちやすくなります。
広告文とLPを見直す
広告側では、AIによる概要を読んだあとでもクリックしたくなる訴求かどうかを見直したいところです。
特に確認したいのは、次の3点です。
誰向けの広告なのかが一目でわかるか
どんな課題を、どう解決するのかが短く伝わるか
LPに遷移したあと、期待した情報がすぐ見つかるか
AIによる概要がある検索結果では、ユーザーはすでにある程度の前提知識を持っている可能性があります。だからこそ、広告は冗長な説明よりも、「自分に関係ある」「次に見る価値がある」と思える一言の質が重要です。
予算配分を見直す
予算配分は、短期的な成果だけでなく、中長期的な集客基盤づくりまで含めて考えることが重要です。
たとえば、短期間でリード獲得や申込数を増やしたい場合は、広告運用への投資を厚くするのが効果的です。一方、AIによる概要や自然検索からの流入を増やしたい場合は、基礎解説記事や比較記事、FAQ、ホワイトペーパーなどのコンテンツ整備にも継続的な投資が欠かせません。
大切なのは、「広告費を増やすか」「記事制作費を増やすか」という二択で考えないことです。自社の商材や検討期間に合わせて、認知・比較・意思決定のどのフェーズを強化したいのかを明確にし、その目的に合った施策へ予算を配分することが成果につながります。
AI概要に備える基本方針
では、AIによる概要に備えて何から始めればよいのでしょうか。ここでは、実務で着手しやすい基本方針を3つに絞って整理します。

競合と引用傾向を見る
まずは、自社と関連性の高い検索キーワードで、AIによる概要が表示されるかを確認しましょう。表示される場合は、どのような内容が要約されているのか、あわせて、どの競合サイトや公式情報が参照されているのかを確認します。
ここを見ることで、AIが評価している情報の内容や、求められている情報の整理の仕方が見えてきます。
次に、「なぜその情報が参照されているのか」を考えてみましょう。例えば、定義がわかりやすい、比較軸が整理されている、一次情報を引用しているといった特徴があるかもしれません。
こうした視点で分析すると、自社コンテンツに不足している情報や改善すべきポイントが明確になり、AIによる概要や自然検索で評価されやすいコンテンツづくりにつなげられます。
AEO前提の型を整える
AEOは、AIに引用されることを保証するものではありません。ただし、AI検索で参照されやすい情報設計を目指す考え方としては有効です。
具体的には、以下のような型を整えることが基本になります。
記事冒頭で定義と結論を明示する
見出しを短くし、内容の流れが追いやすい構造にする
箇条書きや表を使って比較軸を整理する
公式情報や一次情報を参照しやすい形で示す
こうした工夫は、AIによる概要だけでなく、人が読んだときのわかりやすさにも直結します。
サイト構造を整える
最後に見直したいのが、サイト全体の構造です。AIによる概要で興味を持ったユーザーが、比較記事、導入事例、FAQ、LPへと自然につながれるかどうかで、流入後の成果は変わります。
記事単体の品質だけでなく、「関連記事へ進みやすいか」「比較検討に必要な情報が揃っているか」「問い合わせや資料請求までの導線がわかりやすいか」といった全体設計も重要です。AIによる概要時代は、記事1本の勝ち負けよりも、サイト全体でどれだけ検討プロセスを支えられるかが問われやすくなります。
チェックリスト
最後に、実務で確認しやすいようにチェックリストとして整理します。会議や週次レビューでそのまま使えるように、すぐに確認・実行できる項目にまとめています。
AI概要・SEO側のチェック
自社の主要クエリで、AIによる概要の表示有無を確認しているか
そのクエリで参照されている情報の型を把握しているか
記事の冒頭で、定義や結論を短く言い切れているか
比較軸や手順が箇条書きで整理されているか
公式情報や一次情報へ適切に触れられているか
関連記事、FAQ、ホワイトペーパーなど比較検討用の導線があるか
広告・LP側のチェック
広告文を見たとき、誰向けかが一目で伝わるか
AIによる概要を読んだあとでもクリックしたい理由があるか
LPの冒頭で、課題と解決策を簡潔に示せているか
CTAの位置や導線がわかりやすいか
比較検討層向けの情報と、行動直前層向けの情報を分けて設計できているか
SEO・広告・LPを別管理にせず、検索全体の導線としてレビューしているか










